ぱっつん少女だな - 4-3
文字数 807文字
その瞬間、物凄い衝撃波が身体を突き抜けて行った様な異様な感覚に襲われて俺は叫び声を上げた。
大地が激しく揺れている。高速の振動で物がブレて見える。空が赤黒く渦巻いている。あちこちに稲妻が降り注いで火花を散らしている。光の明滅が激しい。視覚がおかしくなる。世界が反転している。ぐにゃぐにゃに捻じ曲がっている。吐き気を催す様な異常な感覚。
俺はとても立っていられずその場に跪き、地面に両手をついて腕で身体を支えている。
ミリアも地面に倒れ込み、銃形態から元に戻したスマホもどきに目をやっている。
俺は異常な状況の中、倒れ込まない様に身体を支え続けるので精一杯だった。
――・――・――・――・――・――・――・――・――・――・――・――・――・――
突然、静寂が訪れた。まるでさっきまでの出来事が嘘だったかのようだ。先程までの激しい轟音で耳がおかしくなっているせいか、なんの物音も聞こえない静寂の世界だ。
その静寂にビシっと、分厚い硝子が割れるかのような重々しい音が響き渡る。
目の前に亀裂が走る。何もない空間に亀裂が走る。
その亀裂はビキビキと鈍い音を立てながら一気に四方八方へと広がり、そして勢いよく粉々に砕け散る。
空中にキラキラと煌めきながら消えて行く。
砕け散った空間の内部は虹色の光と漆黒の闇とが混ざり合うように蠢き、ゆっくりと渦巻いていた。