プッツン少女かよ - 4-2

文字数 1,018文字

そんなグラマラスボディーから降ろされた後、ミリアにインカムと折りたたみ式のオペラグラスのような薄っぺらい双眼鏡を渡された。


渡されたインカムはワイヤレスイヤホンよりもっと小型で耳の中にすっぽりと隠れる。右耳に装着してみると外部の音もそのまま自然に聞こえて来る。


マイクは別途必要という事も無くこれ単体でミリアと会話が出来るらしい。

まあ、この程度の技術など地球でも近い内に実現出来るだろう。驚くには当たらない。

宇宙人だからと言って天狗になっていられるのも今の内だ。

当然の事だがミリアが天狗になっているとっている訳では無い

ミリア以外の全宇宙人に言っているのだ。

ミリアは天狗でもいい。その価値は十分過ぎるほどに有る筈だ

なんなら天狗の女王様になって俺をでビシバシとしばいてくれてもかまわない。

いや、むしろしばかれたいしばき倒されたい

でも誤解の無いように言っておくが、俺は別にじゃ無いよ。
――。
 罰野君、わたしこれからササラちゃんを説得してみるわ。
説得に応じなかったらどうするんだ? あの魔法小学生は人の話などには聞く耳持たんって感じだが。
 言葉で無理だったら……そうね、その時は(こぶし)で語り合う事になるわね。
あ、肉体言語って奴ね……。
 じやあ、行って来るわね罰野君。

ミリアはそう言い残すと俺から離れ、装甲戦闘服の背中の全スラスターを一気に全開にした。

爆発的な加速度で一瞬にして上空に達する。

俺は飛び立つ装甲戦闘服から大分離れていたとは言え、その強烈な衝撃波と爆風とで身体がよろめいて尻持ちを付き、大量の土埃を浴びて咳込む。
あんな頭のおかしい馬鹿げた急加速で上昇すれば普通は搭乗者がでどうにかなってしまいそうなものだが、やっぱり慣性制御とかやっているんだろうか。
中に乗っていると感じないのかも知れないが、俺はさっき救助された時に加速だけで潰れそうだった。
まあ、かったんだからミリアに文句を言うつもりはさらさら無いが。
ミリアが上空に到達した瞬間にいきなり激しい銃撃音と爆発音が轟き、立ち昇る煙の向こう側に幾つもの爆発の閃光が煌めくのが見える。
いきなり肉体言語かよ! 言葉で説得するんじゃないのかよ!
煙を突き抜けて俺の近くに流れ弾が着弾して大穴を開ける。
あぶっ、あぶね

どちらが撃った物か分からないが、これではうかうかと見物もしていられない。

俺は大岩の陰に隠れてみるが、この岩程度で防ぎ切れるのかどうかの判断は俺には出来ない。

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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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