プッツン少女かよ - 6-2

文字数 1,045文字

しかし、さっきから俺はこんなどっちでもいいような事をダラダラと考えているが、それがいったい何になるんだ、なんて我に返ってふと思ったりするが、まあ、どうでもいいような細かい事を気にするのは俺の昔からのだから仕方がないけれどな。
例えササラが魔法使いじゃなくて魔術師だったとしても宇宙超科学のミリアと互角に渡り合っているのだから、それはそれで凄い事だ。
ミリアがまだ研修期間中見習い警官だという事もあるのかも知れないが、まだ小学生だという事実を加味して考慮しなくても、めちゃくちゃ物凄い事だと思う。

天才魔法使いではなくとも天才魔術師だという事はまぎれも無い事実だ。

俺は絶大なる賞賛スタンディングオベーションでもってササラに送りたい気分だ。

が、ササラよ、そんなに頑張らないでおくれよ。

お前が凄いのは充分に分かったからさ。

適当な所で負けて降参しておくれ。それで何とか双方の納得できる妥協点を見つけ出そうぜ。和解しようぜ。
俺は特にお前に対してまだそんなに悪い感情を持っているわけじゃない。
そりゃあ三度までも命の危機にさらされはしたが、それはお前が爺さんの完全には成し遂げられなかった大魔王討伐と言う偉業の達成を、小学生に有りがちな無邪気功名心みたいな物でやり遂げたいだけだろうからな。
和解出来れば今後は俺の中にあるらしい大魔王とやらの取り出し方とかを、ミリアにも協力してもらって一緒に考えて行こう。

そうなればお前が好きそうな甘いお菓子なんかも買ってやるぞ。

俺の可愛い妹分にしてやってもいい。

あ、でもくれぐれも誤解のないように言っておくが、俺は別にロ×コ×じゃないよ。
その時突然、俺の隠れていた岩のすぐ横で大爆発のような物凄い轟音と共に大地震のような強烈な激震が起こった。土砂が空高くまで舞い上がっている。
考え事をしている時の突然不意打ち卑怯だぞっ
俺は心臓が口から飛び出るんじゃ無いかと思うくらいに驚いてその場に尻餅をついた。
今日何度目の尻餅だ? 俺の大丈夫か?
土砂が上空高くから降り注いで来るのが止むのを待って、俺は出来立てホヤホヤクレーターの深いに近づいてみる。
ササラが漁師が使う投網のような物で雁字搦(がんじがら)にされてミリア装甲戦闘服に抑え込まれている。

装甲戦闘服には重火器だけじゃなく、相手を確保する装備も搭載されているようだ。

一応警察の機体だから、犯人確保用の装備があってもおかしくはない。

と言うか何時(いつ)全員蜂の巣にしてちゃ犯人が可哀そうな気もするしな。
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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