プッツン少女かよ - 2-1

文字数 1,249文字

 お前が大魔王だったとは驚いたぞ
さすがは天才魔法使いのササラちゃんだっ。ピンポイントで大魔王の目前に転移出来ていたなんてっ! ササラすごい ササラえらい
言ってんだこいつ
  罰野さん、大魔王だったの?
そんな訳ないだろ どっからどう見ても普通の高校生だろがっ
しらばっくれるな大魔王 二千年前に伝説の白騎士様に力を借りて、ササラのお爺ちゃんの大魔法使い、アングリーズ・マーリンに倒された事を忘れたか
いや、れるも何も知らねーよそんな事。てか、されたんだろ? そのにっ。
てか、ササラの爺さんって二千年前から生きてんのか? そっちの方が驚きだが。
お爺ちゃんは今でもピンピン元気に生きてるよっ。おちゃんが亡くなって、今は若いガールフレンドき合ってるしな。
ササラが最後の孫じゃ無くなる可能性もあるぞ。百人越えた辺りで数えるのをやめたみたいだけど、今んとこササラの父様(とうさま)最後の子供だからな。
うう、すごいな絶倫爺さん……。
(俺も出来ればそうなりたいもんだ)
二千年前に大魔王が倒されてその飛び散った時、何個かの欠片(かけら)異次元に消え去ったってお爺ちゃんが言ってた。

復活の恐れがあるから巨大な異次元魔力探査装置をお爺ちゃんが作って、二千年間ずっと監視してたんだ。

そうしたらついさっき一瞬だけ反応が出たのをササラが偶然見つけて、それで大魔王を一人で倒してやろうと思ってお爺ちゃんに内緒で急いでこの世界にやって来たんだ。

小型の魔力探知機にもさっき大魔王の反応が出たし、間違いなく大魔王はお前なんだよ
ちょっと待てササラ、大魔王の核の欠片が消えたのって二千年も昔の事なんだろう? 俺はまだ十五だぞ、計算が合わんぞ
そんな事知らないよっ。探知機が大魔王だって言ってるんだからねっ。絶対バツが大魔王なんだからね
 それは、こういうかも知れないわね。
ミリアが真剣な顔をしてなんか語りだした。
核の欠片が完全に魔力を隠蔽(いんぺい)してどこかに潜んでいたか眠りについていて、いつかは分からないけれどそれが罰野さんの身体に憑依したとか、
二千年前にこの世界に来て人間に融合して人として生きて、死んだ後もその魂は輪廻転生を繰り返して今の罰野さんに生まれ変わったとか、
実は核の欠片から復活した大魔王が罰野さんそのもので、わたし達に嘘を言っているか、
又は自分の記憶を操作して大魔王自身が普通の人間の罰野さんだと思い込んでいるか。
その場合、罰野さんは二千年間生き続けて来たって可能性も有るわね。
そうすると家族や知人は洗脳した他人だとか、泥から作り上げられた人形だとか、
いえ、いっその事それらは全部自分の脳内だけの妄想に過ぎなくて、
家に帰っても暗い部屋で一人でポツンと見えない家族に向かって語りかけて……。
ちょーっとちょっとっ! ミリアさんっ! 何怖い事言っちゃってるんですかっ!
 あら、有りえるかもしれない可能性の考察よ。
しないで下さいよっ、もし最後の方が本当だったら俺が怖い
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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