プッツン少女かよ - 10-3
文字数 1,400文字
なあミリア、俺はミリアが自爆してササラを止めようとしているようにしか思えないんだが、そこまでする必要性って何だ?
『罰野君、わたしが小さい頃お父さんの転勤で地球を離れたって話したの覚えてる?』
まあ、好きな男の一人や二人いてもおかしくはないけど、やっぱりちょっとショック。
『それでね、お母さんの里帰りで地球に戻って来た時、その男の子の家に会いに行ったのよ』
超美少女のミリアの幼女時代って、やっぱりメチャクチャ可愛かったんだろうな。
『でも、もうその家には住んでなくて、近所で聞いても誰も引っ越し先を知らなくて』
ああ、そういう事ってあるよな。俺の家だって俺が保育園の頃に親父がやってた事業が失敗して、夜逃げ同然で引っ越したらしいし。
まだ俺は小さかったから薄っすらとした記憶しか無いが。
その後各地を転々と移り住んで、親父が苦労してまた始めた事業がそこそこ成功したらしく、その頃の借金も全部返済して、ようやく何とか普通の暮らしが出来るようになったのは、俺が小学校高学年の頃だった。
今では裕福とは言えないが、そこそこの生活が出来ている。
一時は苦労もしたけれど、頑張ってくれた親父には感謝しかないな。親父を見捨てずに支えた母ちゃんも尊敬している。
『その頃から今までも、ずっとその男の子が好きなの』
くっそーっ! その男、羨ましすぎるぜっ! 目の前にいたらぶん殴ってやりたい!!
『銀河連邦警察の見習い警察官になったのは、お父さんの職業に憧れていたのもあるけれど、警察官になればその男の子を探し出せるかも知れないと思ったから』
『地球は銀河連邦に正式に加入している訳じゃなくて、その存在も大国の一部の人しか知らないけれど、見習いを卒業して正式な警察官になれば、地球のあらゆるデータベースにアクセスする権限が与えられるの』
じゃあ、まだその男の子には会えていないって事なんだよな?
それは無理もないだろう。幼女の頃も超絶可愛かったと思うが、こんな美少女に成長しているなんて思いもよらないだろうから。
『わたしはずっとその男の子の事が好きだったけれど、小さい頃の話だから、その男の子はもうわたしの事なんか忘れてしまっていると思う』
うーん、そいつは気の毒だが仕方が無いかも知れない。だって警察官だもんな。
会話の途中で突然、バリア内にとんでもない爆音が轟き出す。
ミリアが外部の音も聞こえるようにインカムを切り替えてくれてからは、今までにもバリアを殴る音は聞こえていたが、音量は自動調整されているらしくそれほどの音量ではなかった。
それがバリアに入った亀裂の為にバリア内にも反響して、耳がおかしくなるほどの大音量になった。身体全体にもビリビリと轟音の振動が伝わって来る。
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