プッツン少女かよ - 8-2

文字数 1,159文字

[[ミサイル、全弾発射終了。電磁投射砲、弾体全弾発射終了。実体弾砲、砲弾全弾発射終了。残リノ粒子加速砲、指向性エネルギー砲、光学兵器、音波兵器、放電兵器、重力兵器ニヨリ砲撃続行中]]
AIメイティスが抑揚のあまりない、乾いた機械の音声で淡々と状況をげている。
エネルギー供給だけで使える兵器以外は弾切れのようだ。まあ、あれだけ一気に撃ち出せばそうなるんだろうな。
『メイティス、砲撃一時中断。砲撃態勢を維持したままで待機』
[[了解。砲撃中断、砲撃態勢ノママ待機シマス]]
戦艦からの砲撃が中断されると、空高く舞い上がっていた土砂や煙が徐々に収まって行き、着弾地点の状況がうっすらと見え始めた。
酷い惨状だ。大地に大小無数の深いクレーター形成されている。どのクレーターの底も真っ黒に焼け爛れ、未だに赤く煮え(たぎ)クレーターもある。
ササラどこ
いた
かつて大地が有った場所、猛烈な砲撃で削り取られたその大地の上、その削り取られた大地の空中にササラは浮かんでいる。丸く輝く球体の中にササラは浮かんでいる。
『ダメだわっ! 砲撃でササラちゃんの魔力が削られたどころか、逆に砲撃前より遥かに魔力が増大しているわっ!!』
『メイティス、砲撃を再開しつつ、プラズマトルネード砲発射準備! ウインブレイバーを発射形態に移行っ!』
[[了解。砲撃再開。プラズマトルネード砲、エネルギー充填開始シマス。ウインブレイバー、プラズマトルネード砲発射形態ニ移行開始]]
猛烈な砲撃が再開された。それと同時に巨大な戦艦の各部がゆっくりと変形を始める。
戦艦は、ざっくり言うと銀色の長方形の船体の先端に四角錐(しかくすい)がくっ付いて、その船体の上下左右に長方形のブロックが乗っているような形状をしている。左右の後方には主翼も設置されている。
あくまでもざっくりとした形状だ。本当はもっと複雑な形状をしており、曲線も多い。

その艦首部分の四角錐の先端に十文字の亀裂が走り、ゆっくりと横にスライドして上下左右に開いて行く。船体の外側まで開き切った先端部はそのまま後方に引き込まれ、半分ほど引き込まれた時点で停止する。艦首付近に設置されていた小型の砲塔は砲撃を中止している。

艦首部分が開き始めると同時に、艦尾の上下に設置されている四つの長方形の巨大なブロックが移動を開始する。四つのブロックにはそれぞれ斜め四十五度の角度で小型の尾翼が設置されている。小型と言ってもそれは戦艦の大きさに対してであり、実際には巨大な尾翼だ。
そのブロックが斜め四十五度の尾翼と同じ角度で、下から伸びる長い板状の支柱により展開される。戦艦の正面から見ると『』字型に見える。
あと上下に一本づつ足して左右の主翼を含めると、『』の字になる。おしいなっ!
いや、何がおしいねん!
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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