プッツン少女かよ - 1-3

文字数 1,553文字

お前、異世界人なのか?
   異世界人お前だーっ
いや、おだろ。次元を越えて異世界からやって来たんだろ?
それって宇宙人から見たら地球人も宇宙人だよって言うのとおんなじよね。
ミリアが口を挟む。
まあ、そりゃそうだがそう呼ばれると違和感あるじゃん。

えっと、おって呼び合うのもなんだし自己紹介するぞ。

の名は『罰野(ばつの)場継(ばつ)』、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生さっ。

お兄ちゃんってんでくれてもかまわないよ。
俺は決め顔でポーズをキメる。きめーとか言わせない。
  じゃあ、バツって呼ぶよ。
ササラは、大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後のにして最後の弟子、千年に一人の大天才魔法使い、ササラ・サラザリ・マーリンだ。
ササラも決め顔でポーズをキメる。
う、カワイイじゃないか。俺の中の眠れるロ×コ×の血がぎ出したらどうすんだ
しかし、呼び捨てかよ、名前。まあいいけど。
わたしの名前ミリアリア・タエコ・ルラララよ。ミリアタエコって呼んでね。

ササラちゃんは歳は幾つ? 次元の壁を自分でして一人でやって来たっていうのは本当なのかな? いったいどうやって

歳は十一だ。ササラは千年に一人の天才魔法使いだからなっ。もちろん一人でだ。

ササラの大魔法で壁をして、はるばるこの異世界までやって来たのだっ。

だろっ。ササラは天才だからなっ、エッヘン!

異世界小学生ササラは腰に両手を当ててを張ってドヤ顔で答える。やたらと天才強調する。
このの言っている事が本当なら、魔法で次元の壁を突破して来たなんて驚愕の事実だわ。

次元のに守られた平行世界からこちら側にやって来るなんて、そんなに容易な事じゃないのに。それをこんな幼い子が。

もしかして外見は幼くても実際はを取ってるのかと思ったら十一って、ますますじられない。
ミリアが当惑しているのが伝わってくる。きっと凄い事なんだろう。にはよくわからんが。
まあ、異世界の一年がこの世界の一年と同じだとはらんしな。こちらの一年があちらの十年だという事も無いとは言えんだろうし。でも、かけはこちらの十一歳と同じぐらいには見える。

俺はその時不意に思い出した。通学バッグの中に、ある物が入っている事を。


昨日の学校帰りに母親から一等当てて来いと渡された券で商店街の福引をやり見事大当たり四等賞で貰った、丸くって小っちゃくって三角なが入っている事を。

小学生には甘い物だよな、やっぱ。
俺は餌付けを試みる
おい、ササラ舐めるか?
 アメ? アメって甘いやつか? お菓子か? ササラにくれるのか
顔をキラッキラさせている。小学生には甘い物だよな、やっぱ。

まあ、知らない人から物を貰っちゃいけないんだけどな、本当は。

でも凄く嬉しそうな顔だ。甘い物が大好きなんだろうな。

はバッグの中からの袋を取り出し、ササラの小っちゃい手の平に一つ渡す。
その時突然、ササラの胸ポケットの辺りからピココーンっピココーンと激しい警告音のようなものが鳴り響く。
防犯ブザー?! 違うんだっ俺は何もやってない うんだおまわりさんっ、信じてくれ!!

ササラは急いで胸ポケットからコンパクトに似た円形の物体を取り出した。表面には魔法陣っぽい模様が刻まれている。

ガラスの表面に映る三角の矢印は俺の方を向いてせわしない点滅を繰り返す。激しい警告音は鳴りやまない。

  な 、お前がそうなのか
ササラは驚愕の表情で俺を見る。そのプニプニとした右のほっぺは小さくプクっと膨らんでいる。さっきのが入っているようだ。
あれ? ついさっきもこんな感じのパターンを経験したぞ?
隣に立つミリアは再起動出来たらしいゴツいスマホもどきを手にして、複雑そうな表情でササラをつめている。
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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