プッツン少女かよ - 3-3

文字数 1,163文字

俺は早くミリアが戻って来てくれないかなーと宇宙戦艦を見上げた。まだ数分しか経ってはいないが、ちょっと心細かったからだ。

女子化粧身支度に時間が掛かるそうだから、暫くは掛かるのかもしれない。

俺の母親なんて出かけるまでに物凄く時間が掛かる。

そんなにわらんだろうと言うと頭にチョップをかまされる。

ミリアは化粧はしてない様に見えたが、もしかしたらナチュラルメイクとかって奴だったのかも知れない。俺には良く分からんが。俺は化粧の濃い女性はちょっと苦手だから助かる

特に十代の女子の濃い化粧は苦手だ。大人っぽい事をしてみたい年頃なんだろうとは思うが、せっかくの若さ溢れるキラキラとした(まばゆ)オーラ曇るような気がするからだ。
とは言え、濃い化粧で素顔を隠し続けて生涯生きねばならぬ定めの顔面事情の女子に対しては俺は何も言えない。言う権利もない。
もしスッピンであの美貌だったとしたら、が創りたもうた至高芸術作品であると思う。
普段は何か特別な事が無い限り神様に感謝とか捧げないが、今は大地にひれ伏して五体投地で感謝をげたい気分だ。勿論供物を捧げる事もれない。
まあ、今後ミリアと俺が付き合ってイイ関係になろうなどと言う大それた野望は当然持ちはしないし、持ったところでう筈もない夢物語だ。
ただ、今回の一件が片付くまでの短い時間、一緒に居てが出来るだけで俺は満足だ。
芸能人のアイドル握手会とかに行って短時間接する事が出来るだけでも喜びを感じられる、みたいな事かもれない。
それでいいんだ俺は。
周りを見回してササラがいない事を確認した後、俺はまた戦艦を見上げる。すると目の端に何かが映った。俺は高速で二度見した。空から四つの黒い何かがこちらに向かって白い尾を引きながら飛んで来る。
ひょっとして、まさかとは思うが、あれってミサイルだったりする?
とか思っている間も無く急激に俺の頭上に迫って来た。
 やっべーーーーーっ!!!!!!!
俺は岩から大ジャンプして崖下に向かって躊躇無くダイブする。もしもの時は飛び降りようと頭の中でシミュレーションを行っていたのが役に立った。
崖は断崖絶壁という訳では無いが、かなりの急斜面だ。斜面は幸いにも岩場では無く地肌剥き出しの土だが、かなり固そうで着地すると痛そうだ。
上手く着地出来ますように、と祈った瞬間、俺がさっきまで居た岩場が轟音と共に大爆発を起こし、空中を落下中だった俺の身体は爆風で更に遠くへと吹き飛ばされる。
俺の身体の横を砕けた岩のでかい欠片が何個も唸りを上げて飛び去って行く
 当たったらどーすんだよっ、暴力小学生ーーーっ
叫びながら斜面に尻から勢いよく着地した俺はバウンドしてそのまま前方に投げ出された。空中を一回転して再び尻から着地して更に斜面をゴロゴロと横向きに転がり落ちて行く。
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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