プッツン少女かよ - 5-2

文字数 1,073文字

見よ! この俺の必殺能力! 超絶脳内変換能力の凄まじさを!
この能力にかかればたとえどんなに厚着をしていようとも、女子は全員全裸に変わる!
俺は双眼鏡で空中の装甲戦闘服を探し求める。
見つけた! ロックオン!!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーっ!!!!!!
湧きがれ 湧きがるんだ俺の魂のオーラ
俺は意識を装甲戦闘服の下半身に集中させ、全能力をリミッターが焼き切れるまで解放する。
っ、ふはははははははははははははははははははははははは
見える えるぞ、その分厚い装甲板の中、その更にのその向こう! あと少しだ! あと少しで秘密の……。
『罰野君、さっきから何大声出してるの? どうかした?』
ミ、ミリアしゃんっ!

俺はインカムからのミリアの声にビクっと驚いて声が返る。

巨大に膨れ上がった俺の特殊能力は跡形も無く一瞬で霧散する。

あ、いや、全然何でもないですよっ。ちょっと足を滑らせて転んじゃって声が出ちゃっただけですよっ。
『そうなの? なんだかブツブツ言ってたり、笑っているような声が聞こえた気がしたんだけれど』
のせいのせい。それはミリアののせいだよ。
『そうかしら? まあいいけど』
それよりも戦況はどうなんだ? ササラはどうした?
『ササラちゃんの操る武器類は粗方撃破したけれど、まだ抵抗をやめないわ』
へー、スマホもどきので俺の足元を狙った時には危なっかしかったけれど、装甲戦闘服だとそんなに命中するんだな。自動照準とかなのかな?
それにしても何だかさっきからミリアが喋っているバックから音楽が聞こえて来るなあ。えっと、これはなんだっけ? ……そうか!
ミリア、ひょっとしてアニソンかけながらってる?
『あら、聞こえちゃった? 燃えるアニソンをガンガンかけて戦うと、アドレナリンがドバドバと大量分泌されて超絶ハイな気分になるから調子がいいのよ』
オタ宇宙人だ。

あ、じゃあミリア、あまり話をしていると気が散るだろうから、これで会話は終了するよ。怪我しない程度に頑張ってくれ。

出来ればササラを大人しくさせて貰えるとありがたい

『分かったわ。曲がうるさいだろうから、こちらからの音声は切っておくわね。何か有ったらいつでも声を掛けて来てね』
ああ、じゃあ健闘祈ってる。
――。
やっべー、インカムの事すっかり忘れてたぜっ 変な事口に出してなかったか? 

しかし、脳内変換能力で、あともうちょっとでミリアのまで見られたというのに惜しい事をした。

最大出力でのこの能力の解放は一日一回限度だ。残念だが今回は諦めよう

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色