ぱっつん少女だな - 2-1

文字数 1,103文字

彼女の説明によるとこうだ。なんでも、俺の体の中には一体でも惑星を制圧できるように開発された試作軍事用強化装甲とかって代物が入っているのだそうだ。
そいつが最終テストで暴走して惑星を二十三個も破壊して逃走。フル装備の満漢全席だったそいつは東京ドームほどの大きさで、追っ手の艦隊を返り討ちにしながら逃げ回り、激しい戦闘でオプションパーツを徐々に失っていき、最後に追い詰められた瞬間、忽然と消え失せて行方が分からなくなったのだそうだ。懸命な捜索にも関わらず未だに発見出来ず、全宇宙で指名手配中だということだ。
オプションパーツは宇宙の各地で回収されており、その総数と最終戦闘での記録から現在はほぼ人間大の素体の状態であると予想されているが、それでもまだ一つの惑星上を全て壊滅させられるほどの能力を有しているのだという。
で、そんなものが人間の体の中になんで入れるのかって言うと、元々そいつは人間が着込むためのもので、人間と融合して戦闘時に瞬時に体の表面に表われて、いわゆる変身! みたいな事ができる設計なんだそうだ。
彼女の星にはそういった戦闘服の着装方法が何種類か有って、自分自身で自力で着るタイプ。電送亜空間移動で装着されるタイプ。強化改造して肉体そのものを変化させるタイプなどが有る。
だが自力装着タイプは持ち運びにかさばり不便で破壊能力の上限にも限界が有り却下。
ブレスレットやベルト等の小型の装置から展開される薄型の強化服は、携帯性は良いが防御能力と破壊能力の両方の上限に限界が有り却下。
転送系は敵地の奥深くの建造物や地下施設まで潜入を行う作戦では転送機や中継器が近くに必要で、たとえ成層圏外にステルスモードで小型転送母艦が待機していたとしても万が一の発覚の危険やジャミングを恐れて却下。
肉体の強化改造は人道的見地により基本的には生死の境彷徨(さまよ)うほどの重傷者にしか施されない。しかし(おおやけ)にされない極秘の闇の部分については知りようがないが、優秀で健康な肉体の若者に強化改造を行っているというは真偽のほどは定かではなくとも漏れ伝え聞いているらしい。そしてやはり破壊能力の上限や火力不足により却下。
そして軍事産業数社のコンペで勝ち残ったのが人体融合タイプだった。強化改造とは違い、生身の肉体への負担はほとんど無いらしい。脱ごうと思えば割と簡単に脱着できるそうだ。
目玉機能として、もしも装着者が負傷したり気を失ったりした場合は内蔵されているすごいコンピューター的なやつが全自動で自律防御攻撃を行うんだとか。で、まさにその装着者無しのテストでソフトかハードのどっちかで不具合が出て暴走したみたいだ。
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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