プッツン少女かよ - 7-2
文字数 1,595文字
ササラは首から下げていたレトロ調の大きめの鍵に手をかけた。昭和時代にはよく見かけたらしい、鍵っ子風に首から下げていたあの鍵だ。
ササラは首から下げていた紐から鍵部分だけを引っ張って取り外すと、それを首に嵌まっている厚くて黒くて太くてでっかい首輪に正面から突っ込む。
羽より軽くて丈夫だとササラが言っていた、竜の鱗とミスリルその他を混ぜ合わせた魔法超合金で作られたとか言う首輪だ。
その鍵をササラが一回回す。カシャーンとロックが外れるような音がした。
黒い首輪の表面にあった薄い長方形の突起が一つ横に開いて首輪の中から眩しい光が漏れ出す。
ササラに絡みついていた金属の網が少し外側に膨らんで網全体が光り出し、放電が多くなる。魔法陣は現れていない。
ササラは尚も鍵を回す。更に左右の突起がロックが外れる音と共に二つ同時に開く。少し膨らんでいた網が一気に膨張し、パンパンに膨らんだ。網の表面から放たれる光と放電が激しさを増す。
更にササラの首輪の突起が二つ同時に開く。パンパンに膨らんでいた網が激しい閃光と放電と火花をまき散らしながら一瞬で弾け飛び燃え尽きる。
網が弾け飛んだ瞬間にミリアは装甲戦闘服でササラに掴みかかったが、ササラに装甲服の手が届く寸前、さらに首輪の突起が開かれて装甲服は厚い壁にぶつかったような鈍い激突音と共に空中に弾き飛ばされた。
ミリアは弾き飛ばされながらも装甲戦闘服の背中側に回してあった機関砲とビーム砲を両手で掴むと、ササラに向かって躊躇なく連射を放つ。
上を向いていた右肩のキャノン砲もササラに向かって咆哮を上げる。背中のバックパックからも小型のミサイルを連射する。
全兵装の一斉攻撃だが、その猛攻は全てササラの目前で塵となって消失する。魔法陣シールドの時のような爆発は一切起こらず、ミサイルも実体弾もビームでさえも全ての攻撃が塵となって大気中に霧散して行く。
ミリアが右手の機関砲をササラに向かって投げ付ける。もはや弾切れなのだろう。腰に装着されていた二つのドラムマガジンもササラを網で捕えた時点で既になくなっていた。
投げ付けた機関砲もササラにぶつかる手前で塵と化す。バックパックからのミサイルと右肩のキャノン砲も弾切れで沈黙する。唯一残された左手のビーム砲も連射で砲身が真っ赤に焼けて幾分出力が落ちて来たように見える。