プッツン少女かよ - 5-3

文字数 1,249文字

俺は双眼鏡で異世界魔法宇宙超科学の二人の戦いを見守る
今度はズーム倍率を下げたから、たとえパンチラが見えようともさほどにはならない。
ササラの魔導兵器がブンブンと飛び回ってビームミサイルを撃ち出している。
あれ? さっきミリアは粗方撃破したって言っていたが、最初の時とそれほど変わらない武器の数じゃないか? ササラが新しいのをしたのか?
どっからいて出て来るんだっ、そんなに大量武器が
しかし、ササラの武器も凄いが、ササラ自身の生身攻撃能力凄い

装甲服に集中砲火を浴びせた後、ミリアの攻撃をかわしながら空中を縦横無尽にくるくると素早く飛び回ってミリアの後方に回り込み、装甲戦闘服の頭にキックをぶちかました。


ササラは蹴り上げた勢いでそのままくるっと後方に一回転の宙返りをしてその場に静止する。

装甲服は前方にガクンと大きく傾き、一瞬失速して墜落するのかと思って肝を冷やした。

スゲーなササラ なんちゅーアクロバティック動きをするんだ。

だが、さっきのキックは小学生の力で打ち込めるような生ぬるいお子様キックとは訳が違うぞ。

蹴り込む瞬間にでかい魔法陣が浮かび上がったから、強烈な魔力か何かを込めた必殺一撃だったのだろう。

ミリアも負けてはいない。瞬時に態勢を整えると、装甲戦闘服の右腕に持った機関砲と左手に持ったビーム砲を同時にササラに向けて連射する。いわゆるタミネ撃ちって奴だ。

ミリア、いくら何でも小学生のササラの生身の身体に向かってそんな攻撃しちゃ駄目だろう

肉片も残さずにバラバラの塵になって消滅しちまうぞっ

ったが、ササラは全方位に幾つもの魔法陣バリアを張って連射の爆発を受け止めている。
スゲーっ、スゲーササラ 今の連射で完全にササラは天国へ旅立ったと思ったぞ
いくら俺の中の大魔王を消滅させようと思って俺を狙っているとは言え、小学生の小さな女の子消滅して死ぬ瞬間なんて俺は絶対見たくは無い
どうにかして和解出来ればそれに越したは無い。どうにかならん物だろうか。
――。
は二人の戦いの最初の方は見て無かったから、ミリアはササラが魔法陣バリア防御出来るのを知ってて連射を撃ち込んだんだろうな。

一瞬、ミリアトリガーハッピーヤバすぎる奴だったのかと勘違いしちまったよ。

ごめんな、ミリア……。

それにしても凄いな、ササラの魔法陣バリア。あんな凄まじい連射の猛攻撃を余裕で受け止めていやがる。ササラって本当に千年に一人天才魔法使いなのかも知れないな……。
? あれ? 魔法陣……。
魔法陣って魔法だったっけか?
あれ? 魔法って名前が付いちゃいるが、あれって魔術じゃなかったっけ? どうだったっけ?
そんなのはにとっちゃ、どっちでもとんでもない脅威だと言う事には変わりは無いけれど。
俺の認識では魔法ってのは何の儀式道具も用いずに、物理法則とか自然の摂理とかあらゆるものを全て無視して発動する、神の奇跡のような超常現象の事だと思っているんだが。
ササラ使っているはどっちなんだ?
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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