プッツン少女かよ - 2-2

文字数 1,372文字

ミリアの考えはさて置き、俺の身体にはミリアの言っていた強化なんちゃらみたいに大魔王の欠片が住み着いているのかもしれない。

それが本当の話だったとしたら、俺の身体って厄介な奴の避難所かなんかなのか?

(そうかもな)(違うかも知れんぞ)
ササラちゃんの話で、一瞬だけ反応が出たのってわたしが罰野さんのキックを打ち込んだ瞬間の時だったのかも知れないわ。

マニュアル通りならあのキックで強化装甲の強制分離が可能だった筈なのに分離出来なかった。

何か別の力が働いて分離を阻止されたのかも知れない。その時に一瞬だけ外部に魔力が放出されたとも考えられるわ。

はー、ササラがこの世界に来たのってミリアのせい? のせい?

(さて、誰のせいなのやら)(全てはどこぞの誰かに仕組まれた事かも知れんぞ)

(アハハっ、それって面白ーいっ)

 ササラちゃん、それであなたは罰野さんをどうするつもりなの?
もちろんそんな事決まってるっ。大魔王を倒して核を完全に破壊するのだ
おいっ、ちょっと待てササラ
ササラの持つ、ササラ(いわ)超一級品超貴重品だというすんごい魔法樹製のステッキの先端部分が眩しく光り輝き、光の玉みたいになっている。
それってまさか
   滅びろっ! 大魔王っ!
やっぱりかっ、に向かってぶっ放して来やがった
あれ、でも……。
は頭を左にひょいっと傾けて光球(かわ)す。耳元を光球がブンブン言いながら通り過ぎる。
     避(     よ)けるな
避けるよ
        そんなら今度こうだ
ササラはステッキで自分の周りに次々と光球を作り出し、空中にかばせている。
おいおいっ。
      全一斉発射

無数の光球が一斉に俺目がけてんで来る


こいつはヤバイか?

っ、っ、っ、ヨイショ
俺は身体をぐねぐねカクカクさせて全弾かわした。
俺ってスゲー。こんなに動体視力運動神経が良かったんだ。らなかったぜ。
どうだササっ……。
ササラに向かってドヤ顔で言いかけた瞬間がつーんとデコに光球が命中した。
時間差かよっ! やるじゃんササラ。(あなど)ってたぜ。
(気を抜くからだ)(アホだな)
いっ、痛ってーーっ

デコ痛ってーけど、これは軟式野球の軟球が当たったぐらいの痛さだ。

何十発も当たれば分からんが、数発程度なら耐えられる。

天才魔法使いなんて自称していたが、所詮は小学生、この程度の力だったな。

もうやめろササラっ。お前の魔法じゃ俺はせん

やめないとお尻ペンペンの刑にすぞっ。

それともほっぺたむにゅーの……って、お前、それ何やってる?

ササラは一体どこから出したのか、奇妙な形をしたバズーカ砲みたいな黒い大砲を脇に抱えてえている。そのでかい砲口は周りに魔法陣を浮かび上がらせ、ブンブンと唸りながら輝きを増している。
なんか、コイツはやばそう。いや、絶対やばいだろこれっ、激ヤバだろこれっ
         あ、この数値危険だわっ。
ミリアがゴツいスマホもどきを見ながら呟く
え、危険なの? やっぱり?
ドガーっと言う物凄い轟音を発しながら砲口から輝く太いビームが放たれる。
、これは死んだな、俺。短い一生だったなあ。生まれ変わったら今度は可愛いギャルにモテモテのイケメンになりたいなあ。
もしくは異世界へ転生して、TUEEEで無双するのもいいかもなー。
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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