プッツン少女かよ - 8-1

文字数 1,195文字

巨大戦艦からササラに向かっての一斉射撃が始まった。戦艦から多彩な色のビームミサイルやその他、俺には良く分からないような兵器からの光線が発射されている。

主砲だと思われる一番太くて長い砲身の三連砲塔が艦の上部に二基、下部に一基あり、それぞれの砲口から激しく渦を巻いた色く光る太いエネルギー弾のようなものが撃ち出されている。

主砲の後方には上下それぞれに二連の副砲があり、主砲に比べるとやや細いが同様なエネルギー弾を撃ち出している。
艦の両舷側の太短いメカメカしい複雑な砲塔から発射されている青い光は荷電粒子砲だろうか。その下には上下にスリットの入った四角く細長い砲身が設置されており、黒い物体を超高速で射出している。あれはレールガンか?
艦橋の後部からは大型小型ミサイル群が撃ち出されている。その他にも大出力レーザーっぽい赤い光を放っている砲身が多数、パラボラアンテナ風な装置から何かを照射している物、複雑な形のメカから稲妻のような光線を放つ物など、もうむちゃくちゃな種類と量の一斉射撃だ。
それらがササラ一人に向かって絶え間ない集中砲火を浴びせ続けている。
ミリアが無敵だと言ってた分厚い時空間断絶バリアとか言う奴のおかげなのか、俺には着弾地点の超絶激しいであろう爆発音や地響きなどは全く感じられないが、バリア越しに見えるササラが立っていた大地はとんでもない状況になっている。
砲撃のおびただしい着弾の影響で大量の土煙が上がりうまく確認出来ないが、無数の馬鹿でかいドーム状の火球が膨れ上がっており、多分着弾した地点は地獄のような酷い惨状を呈しているのだろうと思われる。
いくらなんでもやり過ぎじゃないのかなあと俺は思うんだが。
ミリア、こんな凄まじい集中砲火でササラは本当に大丈夫なのか?
『あら、罰野君は何度もササラちゃんに殺されかけたのに、ササラちゃんの事を心配するのね』
当たり前だろっ、俺はこう見えても女性に対して優しいんだ。去年死んだ俺の婆ちゃんから、女の子には優しくしろって保育園の頃から教え込まれて来たんだ。
たとえそれが小学生チビガキに対してでもなっ
『保育園の頃からか……。いいお婆ちゃんだったのね』
『でも最初に出会った時には、あまり女性に対して優しいって感じには見えなかったけれど』
えなくてかった
普段は決して表には出さないが、俺のの奥底には(まばゆ)黄金色に輝く美しい、全ての女性に対して優しくする清らか高貴がちゃんと息づいているんだよ
『ふーん、そうなんだ』
ふーん、ってだよ ふーん 信用してないだろ
『まあ、冗談はともかくとして、ササラちゃんはこの集中砲火でも多分大丈夫よ。あの超巨大な魔力を少しでも削れているのなら、それで儲け物と思わなくっちゃ』
マジか……。
『今は砲撃による強力な電磁波の影響で、ササラちゃんの状態をセンサーで確認出来ないけれどね』
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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