プッツン少女かよ - 11-2

文字数 1,458文字

全高四メートルほどの小型ロボである装甲戦闘服は、両膝を曲げ、両腕を前方に伸ばし、頭部らしき部分を地面に(こす)り付け、『ザ・土下座』のスタイルをとっている。
ミリアがやったのはスライディング土下座だっ
棍棒代わりに使うと言っていたビーム砲は、元の場所に放置されたままだ。
『ササラちゃん、もう許して下さい。堪忍して下さいっ。命ばかりはお助け下さいっ!』
土下座ロボの外部スピーカーからたれる、ミリア悲痛懇願(こんがん)音声が耳に届く。
別にササラはミリアお姉ちゃんをどうこうしようとは思ってないよ。ただし、ササラの邪魔をすればだけどねっ。
俺は牽引ビームによって再び空中に持ち上げられてこの光景をている。
いてはいるが、その移動速度ナメクジよりも遅いがなっ
がんばれファイトだっズタボロロボ!!
ササラちゃん!!
ミリアがササラの名を叫んだ直後、地面が爆発するような激しい閃光(ほとばし)った。
乾いた固く締まった大地がひび割れ砕けて宙に舞う。地面から青白く輝く太い稲妻が天に向かって幾筋も突き抜ける。
ううこれはっ ミリアが言っていた、装甲戦闘服に残されていた最後の武器、ロボ手の平から出るスタンショックってやつかっ!!
まじい電撃がササラの全身を包み込んでいる。
そうか! ロボを土下座姿勢にさせて命乞いでササラを油断させ、地面に突いたロボのからササラの直近で電撃放出させたのかっ!!
装甲戦闘服のごつい金属製の両の手の平が、電撃を放ちながらササラの身体を包み込むようにして握りしめた。
おっ ササラ握れているっ になって消滅しないっ これは電撃効果なのかっ!?
その時、地面を走っていた細い電撃がチョロっと俺のをかすめた。
がああっ ががっシ、れるーーーっっ
空中で悶絶している俺の尻から薄くほのかなが立ち昇り、ほんのりとした焦げた香りが匂い立つ。
むぐぐっ、受難続きの俺のよ、えろ、えるんだ
俺のよおーーっ!!
放ち続けられる青白い電撃と、握りしめたロボの指の隙間からササラが見える。
倒れてぐったりとしているようだ。全身に浴びせられた電撃のショックのせいなのだろう。
ミリアすごい捕まえられたな
『う、うん。スタンショックぐらいで効果があるとは思えなかったんだけど』
異世界人ササラにとっては、電気弱点だったってなんじゃないのか?
『そう……なのかな?』
(なお)ぐったりしているササラの様子を見て、俺はちょっと心配になってきた。
その状態でササラは大丈夫なのか
『メディカルセンサーでは生命に異常は無いようだけれど』
とりあえず一旦地面ろしてみては?
『そうね。スタンショックもあまり長時間の放出だと回路がもたないし。じゃあそうするね』
地面に横たえられた小学生ササラの小っちゃな身体。口を少し開き、軽く眉を寄せた、うっすらと紅潮するそのぷにぷにとした顔の表情は少し苦しげに見える。
ロ×コ×の皆さんがササラの今のこの状態、この表情を見たとしたら、一体どんな反応をするのやら。
別にロ×コ×じゃない俺には、今のこのササラを見てカワイイっ! とか萌えるっ! などという感情なんかは一切湧かないからなっ!! ホントだよっ!!! 信じろよっ!!!!
(あー、ワシはじゃなー)(黙ってろ、エロじじい)(ホホホっ)(ギギ、ギ、ギギギッ)(%$#=~\\♪!!)(アハハっ)(ボクは、ボクはっ)(けけけけけっ)(ぶもっしゅ、もっしゅ)

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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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