公務員アキアカネ

文字数 381文字

アキアカネさんは市役所職員だ。

でも夏の間は見かけない。何故かと言うと山間部に行っているからだ。
アキアカネさんはとても暑さに弱く、6月から7月の間に山間部の分署に移ってしまう。
その頃山間部は避暑地として観光、林業や農業、登山や高地トレーニングなどで賑わうので、アキアカネさんが出向して役場仕事が丁度いいのだ。

そして高地が寒くなってこちらが涼しくなる頃、アキアカネさんは出向を終え帰ってくる。

その様子が大人気で、我が市のシンボルとも言える。

「あ!アキアカネさんだ!」

子どもたちが手を振った。それに手を振り返すアキアカネさん。

「そうか、アキアカネさんが帰ってきたって事はもう秋だねぇ〜。」

道を歩いていたおばあちゃんが笑ってアキアカネさんに手を振った。

真っ赤な夕焼けの中、頭をトンボに掴まれて飛んでいるアキアカネさん。
街のシンボルは毎年どこかの田んぼまで連れて行かれる。
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