世界征服と人類と猫〜【突然の猫ミーム】

文字数 966文字

 世界征服を企む悪の秘密結社が人々を洗脳せしめんとミームを使用した。
 彼らの研究解析の結果、人々が最も汚染されやすいミームは「猫」と判明した。その為「猫」を使用したミームを作り、それは瞬く間に広まり、人々は皆、汚染された。
 されたのだが……。
「……あ、見ろよ。戸間、また「huhcat」の猫になってるぞ。」
主任に叱責されている戸間君は例の「猫」になってしまっている。その様子から状況はお察しかと思う。
「なぁ、どうにかならんの?このミーム?」
「無理です。よろしくお願いします。」
「……あ~。」
 どうもこのミーム、世代ごとというか染まってきた文化の違いというか、効果は人それぞれちょっと違う。人によってはでかい鈴を首につけていたり、語尾が「にゃ」になっていたり、とにかくその人によって違う。面白くもあるが、本人が隠してきた足跡や黒歴史や癖を暴露する形になってしまい、問題になってもいる。
「キャーッ!!」
 突然の悲鳴。見ると吹き抜け階段の電灯交換していた窓際係長が、真っ逆さまに転落した。皆の血の気が引く。吹き抜けを落ちたら流石にどうなるかは容易に想像できた。
「……とってんぱ~のにゃんぱらり~!」
 しかし、だ。落ちながらそう叫んだ窓際係長は、スタッと何事もなかったように両足で見事に着地した。皆、何が起きたのかわからない。
「……キャット空中三回転!」
ただ一人わかったらしい部長がそう叫んで係長に駆け寄り、歓喜のあまりハグをした。
「友よ!!」
「部長!!」
訳がわからない周りは顔を見合わせる。
「何?アレ??」
「さぁ??昔の猫ミーム??」
「猫です。いなかっぺ大将のにゃんこ先生です。猫はいます。」
ミームなんて関係ないという顔をしていた世代にも、どうやら猫ミームは存在しているらしい。そんな言葉はなくても、人類はずっと猫ミームに汚染されて生きてきたのだ。
「そう考えると、猫って凄いなぁ〜。」
 確かに「猫ミーム」は影響力の強いミームだ。どんな世代にも影響を与える。けれど人類は、ずっとそれと共に生きてきた。故に、今更そのミームを強化されたところで、今まで通り共に生きていくだけなのだろう。

いつの時代にも猫はいます。よろしくお願いします。

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文字数オーバー……。
(ちなみにこれより上は「ニャロメ」だとふんでます。)
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