三日月ファストパス(SF?)

文字数 370文字

月は大昔、もっと大きく見えたそうだ。

何で小さくなったかって?

食べたからさ。
そう、食べちゃったんだ。

だって、端のカリカリのところが美味しいだろ?

カリカリを食べるには、満月のファストパスを手に入れなきゃならない。
満月なら、もれなくカリカリ部分が味わえる。

だから当然、満月ファストパスは人気が高い。
抽選待ちの抽選なんてものまであるほど人気だ。

だから皆、違うパスで入った時に、こっそり食べる。

僕の手元には三日月ファストパス。

佐々木が同じく三日月ファストパスを手に、カリカリ部分をこっそり食べる方法をスマホで調べている。

でもね?
本当は食べるからじゃないんだ。

価格の高騰。

材料費も馬鹿にならない。
政府はひた隠しにしてるけど、本当はだんだん月を小さく作ってるんだ。
このままいけば、月はもっと小さくなるだろう。

いつか夜空に月のない時代が来るのかもしれない。
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