私はそういう剣でありたい

文字数 372文字

話が書けなくなった。
とても傷つけられたからだ。

だが相手は言う。
自分に反省する所などない、と。

ペンは剣より強し。
つまり、ペンは剣より鋭いのだ。

なるほど、そりゃ、致命傷にもなる。

そしてそれに気づいた時、もう一つの事に気づいた。
私が何故、こんなにも深く傷ついたのか、その理由に気づいた。

ペンを、人を傷つける為に使われたからだ。

私にとって本とは、自分を映す鏡だ。
読んだ時、自分に響いたものが自分の気づかなかった自分の答えだから。

本は、物語は、文章は、人を傷つけるためのものじゃない。

誰かの気持ちに寄り添うものだ。
何か命令する訳でも、押し付ける訳でもなく、ただ、何も言わずに寄り添うものだ。
そこにあって、必要な時に必要な自分を映し出し、思い出させてくれる鏡だ。

それが剣になる時は、誰かを守る為だ。
傷つける為じゃない。

少なくとも、私はそういう剣でありたい。
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