VR〜デジタルヴァレンタイン(SF)

文字数 538文字

現場ではアバターがありえない動きで暴れていた。
俺達が呼ばれた訳だと顔を見合わせる。

「ユース、VRドラッグは何だ?」

『今回も「チョコレート」です。』

その言葉に俺は頭を掻き毟る。

「またかよ?!何なんだよ?!この「チョコ」の頻度の多さは?!」

苛立つ俺に相棒が呆れたように肩を竦めた。

「何時間こっちにいると思ってんだ!俺は現実世界の家のベッドで眠りたいんだよ!」

装備のレベルを特例に切り替える。
相棒は無言のままMar.vaxデータを装填している。

「ほれ。」

「ありがとよ、相棒。」

準備を終えた俺達はドラッグに侵食され、暴れまわるアバターを封じるべく向かっていく。

世界にVRというもう一つの世界の形ができた事で、当然そちらでも事件が起こる。
窃盗、暴行、詐欺、そして麻薬。
俺達は現実世界で言う麻薬捜査官にあたる。

「知ってるか?」

「何を?」

「今日はバレンタインデーだ。」

ニヤッと笑う相棒。
そういう事かよ……。
俺はバンッと額を叩いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※chocolateは某麻薬の隠語だそうで……。
皆様も心当たりの無い贈り物と見慣れない通販にはご注意下さい。

Happy Valentine!

(短縮表示しました単語は「Mar=某麻薬名」「vax=ワクチン」となっております)
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