博物館デート(SF?)

文字数 373文字

デートをする為、私は博物館にやってきた。

「大人一枚とニホンオオカミをお願いします。」

「大人一枚とニホンオオカミですね?現在サーベルタイガーがサービスキャンペーン中ですが如何ですか?」

「サーベルタイガー……。」

大変、魅力的だ。
大きな体に剣のような牙。
猫系動物特有のしなやかさ……。
その姿をうっとりと思い浮かべる。

「……いえ、ニホンオオカミで。」

いかんいかん。
私の推しはニホンオオカミ。
浮気はいけない。

受け取ったチケットを入場ゲートに通す。
館内に進むと、そこに狼にしては小型でちょっと犬っぽいニホンオオカミがツンッとそっぽを向いていた。

サーベルタイガーと迷ったので、拗ねてるのだ。

半生体クローン博物館。
クローン技術と生体機械工学の博物館だ。

ちなみに半生体クローンサイボーグの同行料金はその絶滅動物の完全復活プロジェクト資金になるので、私は浮気しない。
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