季節外れのハロウィン

文字数 375文字

ピザトーストを作ろうとトースターの扉を開けたら、季節外れのハロウィンがこびりついていた。
だいぶ焦げ付いてガチガチにくっついてしまっている。

さてどうしたものか……。

なかなか取れない季節外れのハロウィンに悪戦苦闘していると、何をしているのと覗き込んできたお母さんが、ちょっとどきなさいと言う。

そして言った。

「トリック・オア・トリート。さっさとそこから退かないと、火炙りにするよ。」

あんなに頑固だった季節外れのハロウィンは、ポロッと取れた。

さすがは家事歴数十年。
侮れない。

トースターでピザトーストを焼きながら、スムージーでも作るかと野菜室を開けると、今度はカラカラに干からびた、季節外れのクリスマスが出てきた。

「お母さん!クリスマスが干からびてる!!」

「あらまあ、忘れてたわ。」

「ちゃんと冷凍庫に入れないと駄目じゃん。」

お母さんは意外とおっちょこちょいだ。
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