ありのままの僕(夜盲症の客寄せパンダ)

文字数 383文字

うちのパンダは夜盲症だ。展示時間が終わって厩舎に戻すと、見えないとぼやく。

「パンダくん、遮光メガネしたままだよ。」
「おっとっと。」

慌てて遮光メガネを外すパンダくん。顔は耳だけ黒いシロクマだ。

「いや〜、僕がパンダで良かったッスねぇ〜。遮光メガネしてても遠目からじゃバレないでしょ?!」
「いや君、グラサンパンダって言われて凄く人気だよ?」
「マジっすか?!」

バレている事よりも人気がある事に喜ぶパンダくん。うきうきと遮光メガネの手入れを始める。

「バレてるんたら明日から黒以外の遮光メガネかけてもいい?!この赤茶のヤツなんてオシャレで良くない?!」
「いや君、一応パンダだし。黒以外かけたら何かわかんなくなるよ?」
「夜盲症も模様がないのも生まれつきなんだし!ありのままの僕で売ってこうよ!」

そう言って赤茶の遮光メガネをかけたパンダくんは、パンダっぽさは軽減したけど可愛かった。
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