第43話

文字数 1,028文字

(私の人生、これからどうなるんだろう。)
ぼんやり考えながら、制服姿で歩いている。今日は中学1年生の1学期、部活で知り合った同じ不登校の女の子、【明日香】ちゃんと会うことになった。
明日香ちゃんは勉強ができる女の子だったが、朝起きられないらしい。
私が1年生の時に遅刻をして学校に行く中で、明日香ちゃんもたまに登校時間が被ることがあったし、放課後に学校を徘徊して、たまたま藤の所属しているパソコン部の部室を除いた時にフリーホラーゲームをプレイしている明日香ちゃんを見かけて。
「なにそれ!面白そう!私は怖がりだからできないけどさ、見てていい?」
なんて声をかけて、藤も面白そうだと思ったらしく、3人で意見を言い合いながらゲームをしていた。私は何週間もそれを楽しみに学校に登校していた時期があったために仲良くなった関係だった。
動機は違うけど、起きても登校する気が起きない、学校に何の価値も見出していない同士で、居場所がない同士で考えた先は同じで居心地が良くてちょうどよかった。

私は手持ちできる端末を持っていないから、毎回どこの道を通るから、お互い歩いて落ち合おうという決まりを作って毎回合流していた。
だいたい中間か、準備が遅れればどちらかが多く歩くこともあったが、私はそんなことは気にしていなかった。
落ち合って行く場所と言えばスーパーの休憩スペースか大型ショッピングセンターの中にあるファストフード店だ。
お互い金欠なことが多かったのだが、その2つの場所は居場所のない私たちにとても優しかった。
午前中10時に中学生がふらふらしているのはおかしな光景だっただろうし、週に3回くらい利用していた休憩スペースとマックでどういう目で見られているかには興味がなかった。お互い他人にどうみられているかなんて気にしたことがない、どうでもいいのだ。
どうでもいいし、学校なんかが私たちの生活を助けてくれるわけじゃないし、先生たちからの綺麗ごとにも嫌悪していたし、制服が可愛かったという理由だけで制服で集まっていた。
話すことと言えば、家庭の愚痴、学校への不満、将来どうするつもりか、進学、友達。
色々不満も不安もあった、不安がないわけではなかったから居場所を求めていた。
明日香ちゃんはイラストを描くのが好きで、私は本を読むのが好きで。
お互い話しながら各々好きなことをして過ごしていた、人と一緒にいる安心感は計り知れなかった。
人と一緒に居られる、安心できる環境というのが私には心地よかったのだ。
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