第30話

文字数 575文字

次の年、2年生になって入学式くらいは行くかと久しぶりに登校した。
髪の毛は興味本位で染めていたから明るい茶色だった、もう何も気にすることはないと普通に振り分けられた教室に入って自分の席に座ったのだ。
担任の先生が変わったらしく、女性が入ってきた。
一通り先生の自己紹介が終わり、体育館で集会をし、帰路に着こうと廊下に出たときに先生は肩を組む勢いで話しかけてきた。
「りりこ~、学校に久しぶりにきたの~?友達いないの?私が友達になろっか?」
「結構です。」
「寂しいこというな~、髪の毛どうしたの~?染めた?学校来るなら黒くなきゃねぇ。」
「たまたま気が向いたから来ただけなので、もう来ないので大丈夫です、問題ないです。」
「そんなこと言わないでさぁ~友達できるからさ、明日も来ようよ。」
これ以上こんな会話をしても意味ないなと思った。
先生の声量は体育教師らしく大きい、進級初日に廊下でいつも遠巻きに見られている茶髪の私が先生に大声で肩を組まれて絡まれている。
それだけでだいぶ面白かったのかひそひそと話し声が聞こえる、面倒くさい。
「考えときます。」
振り払って本当に帰路についた。
恥ずかしいったらありゃあしない、そんな状況望んでいないし頼んでもいない。
そんなことされて次の日から「はい、わかりました登校します。」なんてなるわけないだろうに。帰ってアニメでも見ようと思った。
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