第13話

文字数 766文字

「おばあちゃんですか?りりこちゃんが熱を出しちゃって、お向かいに来てもらえませんか?」
連絡が祖母に行った時のことだ。

何が原因かはわからないし、ただの風邪だった気がするけど熱が出た。
結果的に祖母は迎えに来れなかった、事故を起こしたのだ。
その代わり隣の家の老夫婦が迎えに来てくれたのを覚えている。

家に帰ってからは地獄だった、父は祖母に相当にきているらしく怒鳴っている、物が壊れている、壁に穴が開いている。
曾祖母はあまり耳が聞こえないというのに「うるさい、騒ぐなら向こうで騒ぎなさい!!」というくらい五月蠅い、やかましい、頭に響く。ぼーっとするが皆私には気にも留めないで三者三様だ。
「トロトロ走ってる前の車が悪いだろ!!何が悪い、私は絶対に悪くない!!!!」
祖母は保険の切れた車で玉突き事故を起こした。
前の車に突っ込んで、車を降りて前の車の女性に言ったらしい
「どんくせえのに車乗ってんじゃねえよ、とろくせえ。」
その調子で詰めたそうだ、女性はぶつけられたショックと罵声で混乱しただろう、涙目だったそうだ。
事故を聞きつけた女性の旦那さんがその状況をみて怒らないはずがない、火山が爆発するように怒ったようで、祖母と女性の旦那さんの口論が響き渡っていたそうだ。
そこに仕事中だったはずの父が呼ばれて行き、状況を把握して青くなったそうだ。
無理矢理祖母の頭に手を置いて、2人で頭を下げたそうだ。
女性の旦那さんからは「息子は悪くないのに、とんでもない母親だな。」と言われたそうだ。
相当怒っていた事故の請求額はとんでもなかっただろう、玉突きでもう一台いるし、無保険。
人が亡くならなくてよかった 運が良かったと思うしかない。
働いてない祖母に返済能力はなく、父が流れるように借金の保証人になった。
父は出稼ぎにでるようになり余計に家から、私から遠くなっていった。
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