第57話

文字数 896文字

「りりこ~!おはよう、元気なの~?ハロウィン近いからスイーツ買ってきたよ、後で食べてね。」
「おはようございます、ありがとうございますいただきます。」
先生から渡されたコンビニの袋の中にはハロウィンらしくかぼちゃのプリンや紫芋のタルト、期間限定のスナック菓子が入っていた。
純粋に嬉しい、食べながら動画でも見よう。
「明日文化祭なんだけどさ~りりこ見るだけでいいからおいでよ、迎えに来るし。」
文章を思い出せば迎えは来るけど帰りは勝手にしろよという内容だったなと思い出した。
文化祭は学校ではなく市の大きい会場を借りて発表会をするのだ、その会場は考えるだけで気が遠くなるほど遠い、歩いて帰ってくることを考えると頭が痛くなりそうだった。
「わかりました、明日は会場に行きます、迎えは来ていただかなくていいです、勝手に行くので。」
「そう?じゃあどこから入るのかだけ説明するね。」
私が居なければいけない場所は1階生徒用の席ではなく2階の保護者席の一番前、入口のすぐそばだった。
保護者席からも意識しなければ目立たず、生徒用の席からは絶対に見えない位置にあった、これなら遅れても問題ないだろう。
「わかりました、ありがとうございます。」
「じゃあ明日ね、待ってるからね、うちのクラス完成度高いんだよ~?」
クラスに誰がいるのか、同じクラスの生徒の名前も顔も人数も認識してないのに完成度が高いと言われてもわからないが先生は気づいていて言っているんだろうか、だとしたら相当嫌味だなと思いながら返した。
「そうなんですね、楽しみにしてます、お菓子ごちそうさまです、後でいただきます。」
「うん、じゃあ明日ね~。」
先生が帰ってパソコンで天気を調べれば明日は晴れだ、自転車で行けるだろう。
歩いて10キロくらい離れている会場から家に帰ってくるなんて考えるだけで疲れる、普通に学校に毎日登校していれば、校則では2キロ以上離れている生徒の学校への自転車通学は許可されているのにこの場合は適応されないのかと文句を言っていただろうが私はそもそも毎日登校していないのだ、知ったことではない、自転車で会場に向かうことにしていつもより早めの就寝をした。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み