第53話

文字数 827文字

図書室に向かっていたはずだったのに、美術部員が廊下の塗装が剥げたところを補修していたところに遭遇してして、部室に行くことになった。
「りりこ?なんで学校にいるんだ?」
「月曜日なので。」
「りりこ、今日祝日だぞ。これから寿司食べに行くからりりこも行くぞ、補修手伝ってろ。」
「えぇ?ほんとですか?だいぶやらかしちゃったじゃないですかぁ、まぁお寿司食べれるからいいや。」
祝日に間違えて学校に来てもいいことはあるもんだ、お寿司が食べれるなんて幸せすぎる。
「りりこちゃんおひさぁ~。」「りりさん、お久しぶりです。」
何人かの同級生と下級生が声をかけてくれて、私も塗装に参加することにした。
塗装は簡単な作業で、茶色の塗装が剥げたところに茶色のペンキで色を乗せるだけだ。
「りりさん、何で今日学校にいるんですか?」
「だって月曜日だよ?月曜日って学校あるじゃん、本借りに来たんだけど職員玄関も昇降口もしまってるからびっくりしてさ~技術室の窓から入ってきたよ。」
「え。りりさん、それはだめです。」
「まあ入っちゃったし、入りたかったし、しょうがないね。」
「りりさん、今日祝日です。」
「盲点だったんだよ。」
下級生の男の子と、部室に行ったときによくお話しをしていた女の子【ゆうこ】ちゃんとその後ろには見たことない女の子が立っていた。見たことない女の子が【るり】ちゃんだった。
「はじめ~まして?」
「あ、はじめまして。」
「りりこです、よろしくお願いします。」
「るりです、よろしく願いします。」
(華奢な女の子だなぁ。)
部活の同級生と下級生は私と普通に会話をしてくれるから嬉しい。
「るり、りりさんは人畜無害な先輩。」
「あ、あ~。」
「人畜無害ってどういうことなの、ディスすぎる。」
「りりさんあんまり来ないし。」
「私も!あんまり来ないです。」
「学校に?部活に?」
「学校にも、部活にも。」
「そっかぁ~じゃあ仲間だぁ~。」
そんなことを話ながら作業をしていれば一瞬で時間が経って、すぐに終わってしまった。
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