第60話

文字数 572文字

合唱部と吹奏楽部の演奏はとても綺麗だった。
楽器や音楽関連は全く触ったことがないので何とも言えないのだが、素直に聞いていて心地のいい演奏だと感じた。

先生方の合唱の順番になり、いつも良くしてくれる保健室の先生や校長先生が歌っているのだけはしっかり聞いておこうと見ていた。
前半の途中で、3年生、同級生の声の大きいタイプの生徒たちがステージの上に次々に登っていく。
皆各々好きな先生の横について一緒に歌い始めたのを見てなんだか心が冷めていくのを感じた。
あの場所に登れる生徒と登れない生徒の違いは何だろうとか、学校でいじめにあっている生徒がいるというのは先生から直接聞いていたし、考え出すと気分が悪くなってきた。
気分が悪いだけだったが、これ以上何も考えたくない状態になってしまい、さっさと退場してしまおうと会場を出ることにした。

会場の外に出れば誰もおらず、空気は澄んでいて気分が少し落ち着いた。
自転車に乗って帰路につけば、少し動いたからか少し気持ちが軽くなった、家に着けばプレハブに早々と戻り、制服から普段着に着替えて布団にもぐりこんだ。
今日はもう何も考えないようにしようと寝ることだけに集中することにした。

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続きは2巻にして書いていきたいと思います。
引き続きお付き合いいただける方はよろしくお願い致します(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
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