第46話

文字数 542文字

「高速バス、始初めて乗る…」
「私も、とりあえず聞けば何とかなるはず。」
私も明日香ちゃんも高速バスには初めて乗る、私は普通のバスも乗ったことがない。
バスターミナルのお姉さんに隣町行きのバスを聞いて、売店で飲み物とバス内で食べるお菓子を買った。
バスに乗り込むのは初めてで、1時間もかけて違う場所に行くのはわくわくした。
子供だけで隣町に行くなんて、学校にばれれば怒られるだろうか、面倒くさい、でも今は面倒くさいより楽しいの方が勝っている、わくわくしている。
バスに乗り込むのは緊張した、運転手さんに止められないかとか色々考えたが、意外とあっさりのれたことで、
(いける…!)
なんて思っちゃうのは思春期の中学生だからだろう。
明日香ちゃんと隣同士で座ってはいたが、私は初めてのバス、匂い、揺れ、座席のおちつかなさでバス酔いを初めて経験していた。
「…きもちわるいぃ。」
「大丈夫?下向いちゃだめだよ、酔っちゃうから、外の景色見て!」
「んん…」
外を見れば高速道路、眺めがいいわけではないし、同じような景色が延々と続いている。
そのうち窓に頭を預けて眼を閉じて呼吸を深くする。
少し落ち着いた気がする、このまま感情を無にして乗り越えよう。
眠ることに集中することにした、着けば明日香ちゃんが起こしてくれるだろう。
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