第9話

文字数 783文字

子供を作り、お互いの良心の承諾を経て結婚はしたが父と母の間に意識の違いがあったのだ。
家族を養うために昼夜問わず延々と働く父、母である前に女でありたい母。
父が仕事から帰ってくると私が居ないのだ、母が自分の母親と父親、私の祖母と祖父にあたる人に預けてしまっていたらしい。
母は交友関係が広く、遊びに出かけるので忙しいと、私が居ることで行動範囲や活動に制限が出るのだからいないほうが都合がよかったんだろう。ちなみに就労はしたことがないらしい、アルバイトやパートとも無縁だったそうだ。母の実家は旅館を経営していて、帰って手のひらを出せば30万くらいポンと預けられてしまう環境にいたのだから若いのに働くなんてくそくらえと思っていたのだろうか。
結婚してからは母の両親ももう親なんだから、父がいるんだから自立しなさいということでお小遣いは減額されたらしい、それでも10万円ほど貰っていて、すべて化粧品やブランドに消えていたようだ。

父は疲れた体に鞭を撃って私を迎えに行っていたそうだ。この時は愛娘だという認識だったんだろうか?
母の実家に帰ると母の妹が居た、母の妹は私と同じ誕生日だ。
私は一人っ子(種違いは現状認識しているだけで3人いる)だが、姉妹の愛憎とか縁がない。
母の妹との関係は昼ドラかというくらいドロドロしていた。父も悪いと思うが。
妊娠していた母はかまってちゃんと寂しがりに拍車がかかっていた。
「他に女つくればいいのよ。」
毎日、延々とこの言葉を父に言っていた。
最初は否定していた父もだんだんいらだったらしく本当に別の女の人を作ってしまったらしい。
相手は母の妹だったのだ。
母は相当カンカンだったろう、想像だけど。
一生そばにいてくれると約束して、寂しさを埋めてくれる存在が自分が言っていた事とはいえ本当に女を作るとは、しかも妹、聞いた話によると母が見下していたであろう妹だったのだ。

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