第21話

文字数 740文字

5月になって、始業式も何もかもが終わっている学校に久しぶりに登校した。
毎年選ばれていたリレーの選手も久しぶりに登校した私を見た先生からは「選手はもう決まっちゃって、本当はでてほしかったんだけど…」なんて言われてしまって出番はなさそうで、そんなところでしか活躍しない私が活躍しないともなると私の学校での存在意味は何なのかと考えることもあった。
相変わらず私は1人だし、女の子のグループからは悪口を言っているのが聞こえる。
聞こえないふり、気にしてないふりで本に夢中になるように意識をそらす努力を必死にした。
誰も私に無関心で会ってくれと思った。
家に帰れば罵声と怒号が飛び交っていて、私を見つければターゲットは私になる。殴られることは少なくなっていたが、機嫌次第でお風呂の浴槽に頭を突っ込まれるのだ。息ができない。
家に居たくないと思うが、学校では陰口、例の男の子は別のクラスになったのに移動教室などですれ違うと嫌味を言ってくる。
私が何をしたのか、私が居ることで不利益が起こるのか。どうすれば楽になれるのかを必死に考えていた気がする。
担任の先生もさすがに状況を見てまずいと思ったんだろう、学校のカウンセリングに週に2回 1時間通うことになった。
カウンセリングに言って安心していいよと言われることで安心なんてできるはずなかったけど、担任の先生もいない、陰口や嫌味を言ってくる同級生もいない、祖母もいないのだ。
その状況ではどこよりも居心地が良くて、担任の先生にはできる限りカウンセリングを入れてほしいとお願いした。
そうすると週に1回はカウンセリングの先生と その部屋で給食を食べることができるようになった。
大食いだとも、給食費を払っていないのにとも言われなくて済むその時間だけはとても安心できた。
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