第14話

文字数 621文字

怒鳴り合いに収拾がついたのか、寝てたのか。
父が冷えピタを交換に来てくれたのだろう、目が覚めて横に座っていたのだ。
「うるさくて悪いな。」
この一言だけ覚えている。

次に目が覚めたころには父はいなかった、また仕事に行ったんだろうと思った。
水を飲もうと起き上がって、台所まで歩いていると祖母が物凄い剣幕で近づいてきて、
気が付いたら飛んだ。
物理的に飛んだ 殴られたのか蹴られたのかは覚えてない、部屋の隅っこにうずくまって大声で泣いた。
「うるせぇんだよ!お前が熱出すから、急いで迎えに来いって言われるから事故ったんだ!携帯はトイレに落とすし、焦るからイライラして前の車に突っ込んだんだ!!お前が熱を出さなければ私はパパに怒鳴られることもなかったんだ!疫病神!全部お前のせいだ!!」
ゴムマリにでもなった気分だった。
覚えてるのはこのくらいで、何を言っているかはわからなかったがポコポコ蹴られるのだ、丸まって。本当にその瞬間は本当にゴムマリだったのかもしれない。
単純に痛くて、怒声で怖くて 耳の聞こえない曾祖母が私の叫び声なのか鳴き声で駆けつけてくれるまで私はパニックだった。
曾祖母に保護されて痛かったのと泣きつかれと包まれた安心感でまた寝落ちた。
私の鳴き声や家の怒鳴り声はご近所からしたら関わりたくない問題だったんだと思う。
「いつもうるさいけど大丈夫なの?」と言われることはあったが助けてもらえることはなかった、心配というよりも迷惑だというような雰囲気だった。
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