第4話 ※やる気が出なかったためタイトル無し

文字数 1,040文字

ニーコ、どうしましょう。
お姉様、どうしようもありませんわ。
やる気が出ませんわ。
やる気が出ませんね。
どうすればいいのでしょうか。
どうしようも無いですわ。
お姉様、今日はもう寝ませんか。
まだ起きてから30分しか経っていませんわ。
では、眠くないですわね。
そうですわ、眠くないですわ。
…………
…………
本部への報告、今日はどうしましょう。
もう無理ですわ。

絶望ですわ。

では、諦めますか。
諦めましょう。
…………
…………
それにしても、なぜやる気が出ないのでしょうね。
なぜでしょう、考えてみますわ。
お願いしますわ。
…………
わかりましたわ。
本当ですか。

教えてくれますか?

いきますわよ。
本来、やる気という物は生存本能に繋がっていますわ。生き物は生きるために動かなければいけない、そのためにやる気を出しているのですわ。
しかし、私達の星、この国の人々も恐らくですけど、たとえ動かなくても、ある程度は生きることが出来ますわ。生きることが出来るのに、わざわざ活動する必要はありませんわ。

だから、やる気が出ないのですわ。

安全であればやる気を出さなくてもいいのですわ。つまり、やる気が出ないことは平和の象徴ですわ。

何も悪いことではありませんわ。

…………
ニーコ、この一瞬でそこまで考えたのですか。凄いですわ。
やる気無しのプロですわ。
質問、いいですか?
ドンと来いですわ。
今の考えが正しい場合、平和な国では全ての人がやる気無しになってしまいますわ。でも、この国の人々はやる気を出していますわ。

なぜ、平和なのにやる気を出すことが出来るのですか?

それは、生きる以上の目的があるからですわ。
目的ですか?
そうですわ。

愛する人を守る、夢を追う、お金持ちになる、美味しいご飯を食べる……、多くの人が生きることに目的を持っていますわ。

人は、その目的のためにやる気を出しているのですわ。その目的への執着が大きければ大きいほど、やる気が大きくなりますわ。
そうだったのですね、知らなかったですわ。
全て自論ですわ。
だから、こんな感情勉強とかよくわかんねぇ目的で別の星に連れてこられても、やる気なんか出るわけねぇだろですわ。頭おかしいですわ。バーカバーカですわ。
確かに、ニーコの言う通りですわ。
それにしても、凄い考えですわ。

今日は、これを録音して本部に送りましょう。

これで、やる気が出なくても万事解決ですわ。


 


次の日

 


 

本部に死ぬほど怒られましたわ。
今日は、少しやる気を出しましょう。


 

【背景画像】

ホテルの一室:ぽんこ様(illustAC様より)

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登場人物紹介

イーコと申しますわ。

感情を勉強中ですわ。

高級な装飾品を身につけた時の優越感を知りたいですわ。

「もういい、お前は帰れ」と言われたため、本当に帰ったら怒られましたわ。

よろしくお願いしますわ。

ニーコと申しますわ。

感情を勉強中ですわ。

なぜ徹夜を自慢するのか、その原因を知りたいですわ。

「そこに立ってろ」と言われたため、一日中直立していたら怒られましたわ。

よろしくお願いしますわ。

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