第25話 第1回チキチキサボり言い訳レース
文字数 1,807文字
今の世の中、人生の大半をあくせく働く人がいっぱいいますわ。
しかし、その中の一部の方は働くことが当たり前になってしまっています。
この方達はどうなってしまうのでしょう。
そう、仕事が無くなった瞬間、何をすればいいのかわからなくなってしまうのです。
そうなってしまっては大変、人生の大詰め、最後という時に何をすればいいのかわからなくなってしまいます。しまいには何も無い人生に茫然としてしまう人もいるとか、いないとか。
では、対策として何をすればいいのか。
簡単です、仕事をしない状況に慣れておけばいいのです!
仕事をしない、たまにボーっとして思考を張り巡らす、これが重要です。
こうすることによって仕事が無い状況に慣れているわけですから、人生の大詰めもへっちゃらです。今日は何をしよう、何をして過ごそう、そんな気持ちを保ちつつ、余生を送ることが出来ます。
さて、仕事をサボるなと言ったあなた。
あなたは仕事にかまけて、人生をサボっているのでは?
ここでおひとつ、人生に向き合ってみては、いかが?
指示を出すなら、まずはその原因を理解していないと駄目ですわよ。
原因を分析して、その原因が判明した時に初めて対策が出来るのですよ、仕事の基本ですわ。
まぁ、いいでしょう。次からは、しっかりと理解してから指示を出すよう、お願いしますわね。
ただ、おひとりだとその解決に至ることが出来そうにないので、私から少しヒントをあげましょう。
なぜ仕事をサボるのか、それは仕事を一度サボってみればわかりますわ。
物事は、何かを始める時に一番力がいるのですわ。驚くべきことに、夏に使うエアコンなんかも、スイッチを入れて動くまでが一番エネルギーが必要みたいでよ。
私達も同じですわ、スイッチを入れた瞬間、それが一番エネルギーの必要な瞬間なのですわ。
では普段から仕事をするあなた、スイッチの切り方を知らないあなた、あなたからしたら普段スイッチオフの私がスイッチを入れることにどれだけの労力が必要になるか、わからないでしょう。それはそれはとてつもない、労力が必要なのですよ。
さぁ、一度仕事をサボってみてください。そして、その仕事始めの第一声、もう一度私に同じことを言ってみてください。きっとその時、鉛以上の重さの心体に驚くことでしょう。
それを理解してから初めて、あなたは私に指示をすることが出来るのですわ。
一度、出直して来てください。私はここで、何もせず待ってますわよ。
仕事をしないということは、強制送還を認めるということですが、よろしいですね。
夜のホテルの一室:ぽんこ様(illustAC様より)