第8話 貴方の辛さを考えて胸が痛くなりました、そのため一週間ほど休みます
文字数 1,670文字
私達のいつもの報告が、当初の旅の目的からズレているからみたいですわ。
旅の目的は、私達が常日頃怒られている理由を考えることですわ。
そのため、もう少し怒られる事と関わりのあることを報告して欲しいとのことですわ。
ちなみに、これからはご飯や遊びの報告は控えること。
目に余る場合は星に戻ってきてもらうとのことですわ。
きっと、本部の人も足の小指をぶつけたのですわ。
それで、腹が立っているのですわ。
そうなのですね。
では、『足の小指をぶつけたから怒っているのですか?』と、聞いてみますわ。
お疲れ様ですわ。
先程のお怒り通知について、私達なりに考えましたわ。
原因は、足の小指をぶつけたことによる八つ当たりで合ってますか?
電話では、『なんで私達がこんなに頑張ってるのに、貴方達は遊んでるんですか!? 胸が痛まないのですか!?』と、泣いてましたわ。
ヒントは、今の言葉にありそうですわね。
本部の方達は頑張ってて、私達は遊んでて……
はい。人は自分が辛い時、周りの人もそれ相応に辛くあって欲しいと感じますわ。
そんな中で、私達のように楽しく過ごしてる人を見ると、より辛くなるみたいですわ。
確かに、同じ星の生き物なのに一方だけ楽しんでいたら嫌ですわね。
ですが、それに解決策はあるのですか?
私達は何を言われても楽しく優雅に過ごしますよ?
解決策ですが、申し訳ないと思い、慎んだ行動を取ればいいですわ。
こうすれば同じ立場になり平等になるため、不満も解消されますわ。
では、私達も辛いと思いながら、働けばいいのですか?
そうですわね。
辛いと思いながら働く、すなわち胸を痛めて働けばいいですわ。
仕方ないですわ。
今回のお叱りは生半可なものでは無かったですわ。
対策を立てる必要がありますわ。
私も、うぇぇですわ。
ですが仕方ありません、本部に報告しましょう。
『貴方の辛さを考えて胸が痛くなりました、そのため一週間ほど休みます』
送信ですわ。
相手の辛さを理解して、しかも休める。
一石二鳥ですわ。
『もういいです、好きにしてください』とのことですわ。
そうですわね。
一週間休みですわ。
バンザーイですわ。
【背景画像】
ホテルの一室:ぽんこ様(illustAC様より)
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