第2話 デリバリーを利用して、ぐーたらの女王になりました
文字数 1,661文字
お昼ですわ。
お昼ですわね。
お昼ご飯の準備をしましょう。
お昼ご飯は、準備が必要なのですね。
もちろんですわ。
でも、めんどくさいですわ。
たしかに、めんどくさいですわ。
でも、準備するしかないですわよ。
でも、めんどくさくて無理ですわ。
だから、諦めるしかありませんわ。
ニーコの言うことも、一理ありますわ。
諦めましょう。
……3分後
……死にますわ。
死なないでください、悲しいですわ。
限界ですわ、お腹が空きましたわ、目に付くもの全てを喰らい尽くしたいですわ。
食欲の権化ですわね。
ですが、困りましたわ。
もう、お昼ご飯を準備する力が残ってないですわ。
絶望ですわ。
もう餓死ですわ。
お姉様、今まで楽しかったですわ。
早まらないでください、何か対策を立ててみましょう。
調べていますわ。
見つけましたわ。
デリバリーピザというシステムがありますわ。
これは、ボタンを押してお金を払えば誰かがピザを届けてくれるシステムですわ。
それは、素晴らしいシステムですわ。
やったー、やったーですわ。
生き延びたッ……！ ですわ。
想像以上に大喜びですわね。
早速、注文してみましょう。
楽しみですわ。
……30分後
ぁぁぁぁぁぁ…………
ピザが届きましたわ。
はぁぁぁぁああああ♡♡♡♡
唸り声で感情を表現していますわ。
では、早速食べましょう。
いただきますわ。
パクッ
トマトの甘み、生地の柔らかさ、ソースの深みが混ざりあってますわ。
これは、複雑な旨味が口の中に広がりますわ。
うめぇ、ですわ。
うめぇ、ですわ。
幸せぇ、ですわ。
これは、素晴らしい上に美味しいシステムですわ。
このシステムは、喜びを届けるシステムですわ。
幸福のデリバリーですわ。
やはり、美味しいものを食べることは、喜びに繋がりますわね。
本当ですわ。
こんなにも美味しい物が食べれること、これは喜びですわ。
それだけではありませんわ。
何もしていないのに、美味しい物を食べることができるのは、快感ですわ。
確かに、料理をしたり、外に出たり、その手間を一切しなくていいのは心地よいですわ。
一部では、この何もしない人々はぐーたらと呼ばれ見下されていますわ。
これは、どうしましょう。
見下す方がおかしいですわ。
ぐーたらは最高ですわ。
ばーかばーかですわ。
ニーコはテンションが上がり過ぎておかしくなっていますわ。
他に、ニーコから言いたいことはありますか？
一つだけ、別の感情を抱いていますわ。
この気持ちはなんでしょう。
どういった感情ですか？
お姉様にお伝えしたいのですが、表現が難しいですわ。
そうなのですか。
なんでもいいので、何か一言でも言ってもらえると助かるのですが。
そうですわね。
では、ピザを運んでくれた方への想いを伝えますわ。
お願いしますわ。
『こんな優雅に休む私のためにあくせく働いて、無様ですわね。』
…………。
……そんなことを思っていたのですね。
姉として悲しいですわ。
思ってしまったのですから、仕方ありませんわ。
ですがその発言、有益な情報の可能性もあります。
一度、調べてみますわ。
また調べていますわ。
見つけましたわ。
それは、女王様という方の発言ですわ。
私は国を治めていませんわ。
この国では、国を治めなくとも『女王様とお呼び』と命令し、『このブタ』と罵れば女王様になれますわ。
そうなのですか。
私が女王様になってしまいましたわ。
ではまとめますと、デリバリーは美味しいだけでなく、ぐーたらすることが出来て、女王様になれるということですわね。
そうですわね、私がぐーたらの女王ですわ。
ひれ伏せですわ。
これは、発見ですわね。
本部に『デリバリーを利用して、ぐーたらの女王になりました』と報告しますわ。
お願いしますわ。
ブーッ
返信が来ましたわ。
なんと返ってきましたか？
『だらけていないで真面目に働いてください』と、返ってきましたわ。
おだまり、私はなんと言われても働きませんわよ、このブタ。
ぐーたらの女王様、ばんざーい。
【背景画像】
ホテルの一室：ぽんこ様（illustAC様より）
【挿入画像】
生ハムとルッコラのピザ：ぱすてるごん様(illustAC様より)
