第6話 幸福になりたいためチョコを山ほど送ってください
文字数 1,538文字
本当ですわ。
近場にあり、大体の物が揃う、便利なお店ですわ。
ニーコ、思い出してください。
昨日、バレンタインデーというイベントがありませんでしたか?
では、バレンタインデーがどのような祭典だったか、調べてみますわ。
私の予想では、全人類がチョコを作り、その頂点を競う戦いだと思いますわ。
バレンタインデーは、女性が好きな男性にチョコを送る祭典のようですわ。
そして、このチョコは
本当に好きな男性に送る本命チョコ、
そうでない男性に送る義理チョコ、
友人に送る友チョコ、
自分へ送るマイチョコ、
家族へ送るファミチョコ、
男性が女性に送る逆チョコがありますわ。
上司に好かれるために送る媚びチョコは無いのですか?
好きかどうか微妙な男性をとりあえず繋いでおくキープチョコは無いのですか?
そんなチョコ嫌ですわ。
あと、これ以上種類を増やして欲しくないですわ。
それにしても、調べれば調べるほど、仲の良さそうな男女が出てきますわ。
これは、とても幸せなイベントなのですね。
そうですわ。チョコをもらえた人は幸せかもしれませんわ。
ですが、チョコをもらってない私達はどうですかっ!!
このイベントはチョコの有無で幸福と不幸が分かれますわ。
チョコが無い場合は不幸ですわ。
悲しみの極地ですわ。
確かに、チョコはありますわ。
しかしこれは、コンビニでお金を支払ったから得られた物ですわ。
そうかもしれません。
ですがその時、店員さんはなんと言っていましたか?
そうですわね……
『ありがとうございました』と言っていましたけど……
そう、感謝の気持ちを伝えてましたわ。
真っ直ぐこちらを見て、チョコを手渡して、感謝を言う……
ニーコ、私達は客チョコをもらいましたわ。
これで勝ちですわ!!
そうですわ。
お金があれば簡単に客チョコを手に入れることが出来ますわ。
こんな簡単にチョコは手に入るのですね。
心配して損しましたわ。
わかりましたわ。
〇〇チョコと種類が増えたのは、不幸な人を減らすためだったのですわね。
そうですわね。
では、私からは客チョコを提案しますわ。
お金があれば手に入れられる、優れたチョコですわ。
では、本部にも要請しましょう。
『幸福になりたいためチョコを山ほど送ってください』
『お金を渡しているのですから、そちらで買ってください』
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