第34話 こわいこわいには無視してバーカバーカで乗り切りましょう。

文字数 1,451文字

こわーい、こわーい、ですわ。
何がですか?
今日は、こわーいこわーい試練ですわ。
だから、何がですか?
この夜の公園……


 

恐怖の公園ですわ!!
はぁ。


 

お姉様、この夜の公園で何をするのですか?
この夜の公園で、恐怖の感情を学ぶのです。

夜という物はとてもとても怖い物ですわ。その恐怖の感情を勉強するのですわ。

前にも夜に来ているので、そこまで怖くないのですが。
例えば、あの木!!
あの木には女性の幽霊がいるのですわ。

昔、あそこで首を吊った女性がいましたわ。今でもその女性は現世に恨みを持っていて、木の下を通る者の首を絞めようと……

キャーーーーッ!!!!
首を吊ったのは自分ではないですか。

八つ当たりしないで欲しいですわ。

他にも、滑り台!!
夜にあの滑り台を滑ろうとすると、

「押してあげる……」

という声が聞こえてきますわ。そして、滑り台から突き落とされて……

キャーーーーッ!!!!
その幽霊は何が目的でそんなことをするのですか。
そして、シーソー!!
あのシーソーは夜な夜な独りでに動きますわ。
キャーーーーッ!!!!
建付けが悪いだけじゃないですか。
最後に、あの空っ!!
あの空、パッと見たところ普通の空ですが、実はあの空を一枚めくると裏にはありとあらゆる魑魅魍魎が私達を狙って……
チャーーーーッ!!!!
もはや、この公園が関係無くなりましたわ。
ニーコ、この恐怖に耐えることは出来ますか?
平気です、特に怖いと感じていないので。
…………。
お姉様?
……自分で喋ってて、怖くなっちゃいました。
えー。
なぜでしょう、どんどん怖くなってきましたわ。

私はこのまま殺されてしまいますわ。

幽霊たちの本性を暴いた恨みで、殺されてしまいますわ……。

殺されませんわよ。
殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される
はぁぁぁぁあああああっっっっ!!!!
お姉様が怖いのですが。
ニーコ、どうすれば怖くなくなるのですかぁ……。
えぇ、知りませんけど。
にーこぉ……
……わかりました、考えますわ。

そうですね……

一つ、深く考えないことですわ。

深く考えてしまうと、思考がどんどん恐怖にのめり込んでしまいますわ。深く考えず忘れてしまいましょう。

一つ、みんなが大丈夫だから大丈夫と考えましょう。

この公園にはみんなが来てますし、みんなが無事に済んでいますわ。そのため自分も安全と考えましょう。

一つ、八つ当たりをしてみましょう。

そもそも悪さをしていない自分に対して、襲ってくる幽霊はおかしくないですか? そんな奴にはふざけんじゃねぇ、バーカバーカと考えてみましょう。そうすれば馬鹿馬鹿しくなるはずです。

いかがですか?
…………、
怖くなくなりましたわ!!
本当ですか、適当発言だったのですが。
『こわいこわいには無視してバーカバーカで乗り切りましょう』送信ですわ。
送ったのですか、適当発言だったのですが。
では、恐怖に打ち勝つことが出来ましたし、帰りましょう。
帰って寝ましょう。
……空の後ろに、魑魅魍魎。


 

帰りましたわ。
『なるほど、怖くなった日に試してみます。』本部からの返答も受け取りましたわ。
さて、寝ましょうか。

電気を消しますわよ。

……お姉様、それは少し後にしましょう。
なぜですか?
…………。
怖いのです……。
え、かわいー。


 

【背景画像】

広い公園(夜):みんちりえ様( https://min-chi.material.jp/ )

夜のホテルの一室:ぽんこ様(illustAC様より)

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登場人物紹介

イーコと申しますわ。

感情を勉強中ですわ。

高級な装飾品を身につけた時の優越感を知りたいですわ。

「もういい、お前は帰れ」と言われたため、本当に帰ったら怒られましたわ。

よろしくお願いしますわ。

ニーコと申しますわ。

感情を勉強中ですわ。

なぜ徹夜を自慢するのか、その原因を知りたいですわ。

「そこに立ってろ」と言われたため、一日中直立していたら怒られましたわ。

よろしくお願いしますわ。

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