わたしの家に 小象が来たこと(1)
文字数 801文字
翌朝、わたしの家に小象が来た。
小象と言っても、わたしの背丈の倍近い。ぱぽーなんて鳴いている。
それから昼前に草里が来て、わたしの部屋で休んでいる小象をぺたぺた撫でている。
小象と言っても、わたしの背丈の倍近い。ぱぽーなんて鳴いている。
それから昼前に草里が来て、わたしの部屋で休んでいる小象をぺたぺた撫でている。
夕べの夢は、よく思い出せない。
夢追いの類か。夕べじゃなく、昨日学園での草里がやばそうだったという昼寝。あれは、深いところまで落ちていた感覚は覚えている。あのとき掴んだのは掴んだのだ。結局雫になって消えてしまったけれど……
わたしはわたしの手のひらを見る。あのとき、この子のしっぽを掴んだとか。
草里は小象をぽんぽん叩いて、はしゃいでいる。小象は、
なんて鳴いて。
草里は小象の顔をぐいってわたしの方に向ける。縁起もの、って顔か?
学園に言えばあなたの価値が上がるかもしれないけれど、象は絶対取り上げられるよ。と草里は言った。
あはは、とわたしは力なく笑った。だけど何となく、自分が連れてきたんだ、というのがしっくり来るようになってて、学園には渡してしまいたくないとも思っているわたしがいる。
草里の目つきが少し変わった。
「この子とパレード潰しをしよう。と思うのだけどあなたはどう? ソラミミ」