入間先輩の別荘地(4)
文字数 739文字
辺りに甲高い声が響き渡る。
館の方を見れば、上階の窓が開き、入間と思われる姿がそこから呼びかけている。
館の方を見れば、上階の窓が開き、入間と思われる姿がそこから呼びかけている。
どうでしたか? 皆様。わたしの余興は。お楽しみいただけましたでしょうか? さきほどお姿が見えませんでしたが……草里楓はもう到着しておいでのようですわね。
草里よくお聞きなさい。よくもわたしの十年来の親友・シヲリを危険な場所に連れ出し、見殺しにしてくださいましたわね。わたし、許しませんことよ
草里よくお聞きなさい。よくもわたしの十年来の親友・シヲリを危険な場所に連れ出し、見殺しにしてくださいましたわね。わたし、許しませんことよ
入間薫、やはりそのことを、本当は草里を恨んでいたのか。
わたしも、シヲリさんらの死を思うと、勿論、胸は痛い。シヲリさんは、やっぱり、草里に乗せられて……? 草里を見る。
わたしも、シヲリさんらの死を思うと、勿論、胸は痛い。シヲリさんは、やっぱり、草里に乗せられて……? 草里を見る。
影の草里が一歩踏み出す。
ほっほっほ。ほうーら皆様、お聞きになって? この人の恐ーい本性が垣間見えますよ。あなたたちが死んでも、この草里という女は同じように自分の責任だと言うだけで、一切の哀れみもない、自分の手駒としてしか他人を見てはいない、ただの暴君女ですわ!
影の草里は反論しない。周りも、影ばかり。皆、どう思っている。
影の一人。郡が近くに来ている。
当然、こんなところに立ち往生していても、すぐにまた学連の狙撃手だか追っ手が来るだろう。
今更、戻ったってどこかで追っ手との戦いになる。
この近辺は、おそらくわたしたちの来ることが前もって報告されていたのか、もぬけの殻で何もない状況。下手すれば、包囲網でも張られていそうだ。こんなことに、なってしまっている。だけど、どうしてか、間違っているとも思えなかった。
今更、戻ったってどこかで追っ手との戦いになる。
この近辺は、おそらくわたしたちの来ることが前もって報告されていたのか、もぬけの殻で何もない状況。下手すれば、包囲網でも張られていそうだ。こんなことに、なってしまっている。だけど、どうしてか、間違っているとも思えなかった。