なにそれ気持ち悪い。禿げなんてきらいよ
文字数 1,254文字
また草里が来ている。
あれからまた人数を減らし、以降は五人で行うようにしてパレード潰しを二回行った。その二回で、また小象は死んだ。
あれからまた人数を減らし、以降は五人で行うようにしてパレード潰しを二回行った。その二回で、また小象は死んだ。
草里やそれにわたしも徐々に戦い慣れてきたこともあり、連れていく仲間は、死なせずに済むようになってきた。それでも内一回に一人が、死んだ。その回に死なずに済んだ二人と、みたび参加した郡さんとの五人で行った五回目のパレード潰しは死者を出さずに済んだ。
だけど、小象は死んだ。規模の大きなパレードの巨象の大きさとは比べるべくもないのだ。
わたしは自ら進んで夢に入り、象を連れ戻した。なるべく早く小象をわたしのもとに置きたかった。間違いなく、この子は同じひとりの子で、巨象に潰されて消えてしまうけど、わたしが夢に入ることでこの世に戻すことができているんだ、と確信するようになっていた。
その度に、小象は大きくなった。
わたしは自ら進んで夢に入り、象を連れ戻した。なるべく早く小象をわたしのもとに置きたかった。間違いなく、この子は同じひとりの子で、巨象に潰されて消えてしまうけど、わたしが夢に入ることでこの世に戻すことができているんだ、と確信するようになっていた。
その度に、小象は大きくなった。
草里は真剣な表情になり、続ける。
え?
草里は軽くそう言い捨てた。
だけど、草里の言い方には別に諦めや自暴自棄が感じられるわけでもなかった。
これまでのメンバーの死を目の当たりにして、これ以上死なせたくない、という思いもあって、二人で行くことに少し安堵もしている自分がいる。これ以上死なせないという自信もない。草里が首を横に振るのにも、そうだわ。それでいい。わたしだってわかっている。と心で返事している。何故か、しっくり来ている。
草里のさき言ったこと。自分次第、か。そうなのかもしれない。象がどうやって生まれ自分のもとに来たかを知ってから、自信を取り戻してもいた。あのことは、誰にも言っていないけど……勿論、今の段階で先生には言えないことだったし。
草里には言っておいた方がいいだろうか。あの、奇形じみたパレードのことも気になっていた。あいつらに会ったのは一度きりだけども、それ以降も、夢のどこかにいる気配を感じていた。どこかであいつらが、わたしを見ている。もしかしたら小象を取ろうとしているかもしれない。