パレード潰し~III回目~
文字数 831文字
三度目のパレード潰しに来ていた。
何度来ても、いやな感覚。
目の前でもう、一人死んでいる。今度は、両手両足がさよならしていった。この子の口からはまだ、あああ……と声が漏れているが、それもピエロが出しているんだ。さき、助けようと駆け寄ったら、ひょこんと顔を出して引っ込めた。たちの悪い、冗談みたいな死。
何度来ても、いやな感覚。
目の前でもう、一人死んでいる。今度は、両手両足がさよならしていった。この子の口からはまだ、あああ……と声が漏れているが、それもピエロが出しているんだ。さき、助けようと駆け寄ったら、ひょこんと顔を出して引っ込めた。たちの悪い、冗談みたいな死。
こんなに人が、死んでしまうものなのか……だけどなぜか違和感を感じない。もちろん、最初に四副さんが死んだときにも、今だって、恐怖はずっとある。だけど、わかってきたのは、わたしたちはもう今、そういうところに、そういう世界にいるのだ、という思い。
何故だろう。わたしは確かに昼寝魔で、それにずっとぼうっとしている子で夢見がちな子で、今までそういう認識に欠けていたのかもしれない。前にあった、安心に包まれた世界とはもう、違う。学園は、それを仮初めに隠しているに過ぎないんだ。
前の戦いからもすぐに姉妹の死という事実に慣れてしまった。この今目の前で無残に死を曝しているこの子の死にも……だけど、恐ろしい死。この戦いの死は、死んだという実感に乏しいというのだろうか。文字通り死んだというよりも、絵のなかだとか紙のなかだとかどこか別の戻って来れない場所に閉じ込められてしまったというような。それがわたしたちの死なんだ。
何故だろう。わたしは確かに昼寝魔で、それにずっとぼうっとしている子で夢見がちな子で、今までそういう認識に欠けていたのかもしれない。前にあった、安心に包まれた世界とはもう、違う。学園は、それを仮初めに隠しているに過ぎないんだ。
前の戦いからもすぐに姉妹の死という事実に慣れてしまった。この今目の前で無残に死を曝しているこの子の死にも……だけど、恐ろしい死。この戦いの死は、死んだという実感に乏しいというのだろうか。文字通り死んだというよりも、絵のなかだとか紙のなかだとかどこか別の戻って来れない場所に閉じ込められてしまったというような。それがわたしたちの死なんだ。
霧のなかから、駆けて来る。
今回の戦いには、郡さんもまた加わっている。
と言い、郡さんは死体になった友達に、すっと黙祷しすぐにピエロ斬りを構える。
郡さんの他に、この今目の前に死んでいる子……それに、郡さんと一緒にいた二人。一人は、郡さんに続いて戻ってきた。