お菓子屋さん会議
文字数 1,379文字
峠のお菓子屋さん。学園を去った草里は、そこがアジトであるかのように、従えた生徒らと屯った。
だけどこんな一時しのぎじゃどうにもならない。草里に打つ手はあるのか。
学園だって、赤居にあんな仕打ちをしておいて、生徒を勝手に連れ出して、何か手を打ってくるだろう。
生徒たちも、付いてはきたけどどうしたものか覚束ないといった表情の者もいる。だが草里に共鳴した多くは斬り専の手練れの子らで、これまで学園に持っていた不満や、自分の腕を試したくてウズウズしていたことを言い合っている。草里はそれを聞きながら、とりあえず落ち着こうよと、自分は餡蜜を注文して食べているところ。そんな草里に、今まで近づきがたかったけど、草里さんのことを慕っていたんです。とか、一緒に来れて嬉しい、だの伝えている生徒もいる。ふぅん……草里ってそんな慕われてたんだ。わたしはしばらくその収まりが着くまで、と隅っこで棒アイスをかじっていた。
だけどこんな一時しのぎじゃどうにもならない。草里に打つ手はあるのか。
学園だって、赤居にあんな仕打ちをしておいて、生徒を勝手に連れ出して、何か手を打ってくるだろう。
生徒たちも、付いてはきたけどどうしたものか覚束ないといった表情の者もいる。だが草里に共鳴した多くは斬り専の手練れの子らで、これまで学園に持っていた不満や、自分の腕を試したくてウズウズしていたことを言い合っている。草里はそれを聞きながら、とりあえず落ち着こうよと、自分は餡蜜を注文して食べているところ。そんな草里に、今まで近づきがたかったけど、草里さんのことを慕っていたんです。とか、一緒に来れて嬉しい、だの伝えている生徒もいる。ふぅん……草里ってそんな慕われてたんだ。わたしはしばらくその収まりが着くまで、と隅っこで棒アイスをかじっていた。
わたしたち手わざ系の子らと違い、戦系の子は学園に入る十二の年からの三年間で相当厳しい指導を受け、離脱者も多いのだと。中には、使い物にならなくなる、という子もいると聞いた。そういう子らは皆、山の下へ戻される。卒業しても、食いっぱぐれたり、使い捨てのように働かされることがほとんどなのだと。まぁ、わたしにしたって将来の保障がないことには変わりないんだけど……。学園に不満を抱いている子は多いわけだ。
ともあれ今は、気が気でならない。学園には恐い先生もいる。体育の噴田とか。まあ、草里なら簡単に追い返せそうだけど。
と、そのときガラリとお菓子屋の戸が開く。
身構える生徒たち。
と、そのときガラリとお菓子屋の戸が開く。
身構える生徒たち。
入ってきたのは、同じ学園の女生徒ら数人だ。どういうこと? まだ学校は終わっていないし、と言っても今頃あっちは大騒ぎなのかもしれないが。
郡さんだ。どうやら隣のクラスや別クラスの生徒たちらしい。
草里は餡蜜を食べながら、余裕の表情だけど、クラスの生徒らは追っ手という言葉を聞いてか、戸口側の生徒らに睨みを効かせ身構えている。
そう言って、五人、六人、と生徒らが入ってくる。緊張が解ける。
わたしには、わからなかった。そういう知識がてんで、ない。昼寝のせいだけではないのだろうけど。とにかく草里の表情も幾分険しくなったので、あまり悠長にはしていられないといったところだろう。生徒たちも、ざわつき始める。
そんな中、一人のおっとりした女生徒が、郡と来たグループの方から歩み出る。