わたしは夢の空で象を産む(2)
文字数 571文字
辺りをさーっと見渡すと、高いところに雲が一つ、そこから砦の形が覗けている。あれだな。何となく見覚えもある。
ひとっ飛びに、大きな雲の上に佇む城門のところまで来る。
門の前で、古びた雲が千切れて漂っている。扉は破けて、開けっ放している。
城のなかは暗い。
まるで、これじゃ廃虚。もう誰も住んでいないのかもしれない。そうなんだよな。わたしのところにもう空の領主の使者は長年、遣わされていない。最後に来たのが、もう二年いや三年は前だろうか。
門の前で、古びた雲が千切れて漂っている。扉は破けて、開けっ放している。
城のなかは暗い。
まるで、これじゃ廃虚。もう誰も住んでいないのかもしれない。そうなんだよな。わたしのところにもう空の領主の使者は長年、遣わされていない。最後に来たのが、もう二年いや三年は前だろうか。
風が吹いてくる。この城の辺りまで来ると、とても風が強いんだな。ここはとても高い空。
あの城の尖塔の頂なんて、旗がびゅうびゅうと風に靡いている。
あそこまで行ってみようか。でも、飛んで行くには風が気になる。途中で風に飛ばされて今日の探索はそこまでで終わってしまうかもしれない。この薄暗い城のなかを通ってあの尖塔まで出ることを思うと、それも気乗りがしない。
宝石があるとも思えない。
ふう。何となくため息、門の脇の古い柱に背をもたれさせる。
あの城の尖塔の頂なんて、旗がびゅうびゅうと風に靡いている。
あそこまで行ってみようか。でも、飛んで行くには風が気になる。途中で風に飛ばされて今日の探索はそこまでで終わってしまうかもしれない。この薄暗い城のなかを通ってあの尖塔まで出ることを思うと、それも気乗りがしない。
宝石があるとも思えない。
ふう。何となくため息、門の脇の古い柱に背をもたれさせる。
……どんどこどんどこ。
ん? 何か、聴こえてくるな。
どんどこどんどこ。
風以外の音だって珍しいんだ。
どんどこどんどこ。どんどこどんどこ。
これは……えっ。まさか。パレード? こんなところにパレードが来たことなんて、なかったのに…………一体、どんなパレードが。……