再び夢の空で
文字数 850文字
わたしと草里と、わたしの家まで急ぎ戻ってきた。
家には誰も、来ていない。辺りに気配もないし、静かだ。中に入り、小象の無事を確認した。
一瞬、沈黙が流れる。
二人で戻ってきて、場所も聞いていなかったんだ。
途方に暮れる……暇はないので、
途方に暮れる……暇はないので、
あそこから学園とは反対方向に出発したのは確かだ。
駆け通せば、どこかで追いつける?
しかし問題は、小象か。
駆け通せば、どこかで追いつける?
しかし問題は、小象か。
そうね。あの突進を思えば少しは……そう思いわたしは、巨象に突進していき小象が潰されるのを思い出してしまう。いやな光景だ。何度見ても。
とりあえず今、そんなことも言っていられないし、わたしはひょいと小象に飛び乗った草里の後ろに乗る。
とりあえず今、そんなことも言っていられないし、わたしはひょいと小象に飛び乗った草里の後ろに乗る。
草里の小さな背中をぎゅっと抱く。こうしてみるとわたしだって小さい方だけど草里のがもっと小さいんだと感じる。この子のどこにあんな力が……
ぴくとも動かない小象の上で、草里の背をぎゅっと抱いてそのままだったわたし、なんだか恥ずかしくなってしまう。草里がすっと飛び下りて、わたしはよいしょと前に移動する。今度は草里が後ろから、わたしを抱きしめてくる。ぎゅっと力が入る。
小象が、もう走り出していた。ぱぽー! すごい、速さ。パレードに突進していくときはなんだかのそのそめいているが、今は、快速。駆ける、駆ける。