草里ってちょっとひどくない?
文字数 1,119文字
学園の朝。
一年近く付き合ってきたけど、あんな草里って、見たことなかった……。
何。そうーかな。そうは思わないけど……大体、わたしは戦系、あなたは手わざ系。主要科目が違う時点で、あなたはわたしの半分しか見てないんだし……一年一緒のクラスだけど、よく話すようになったのは半年前だから半分だし、それに、あなたは授業の半分寝てるから、そこでまた半分で
草里は次の瞬間には真剣な表情に変わっており、今回は失敗だったけど、今度はパレード潰しを成功させよう、と言うのだった。そんなあ……無茶苦茶だよ。あんなの……。次はもうちょっと使える部下をつれていく、と草里は昨日言った。わたしは薄っすらとした草里という子への否定感情を持ったが、わたしはそのときはそれ以上何も考える気にすらならなかった。あのあとわたしは言葉もなく、帰途に着き、家に着き次第に眠りに落ちた。浅いところをぐるぐるぐる漂っている眠りでしかなかった。起きて、昨日のパレード潰しは、夢じゃなかった。と思った。
ホームルームでは何も触れなかったけど、四副さんは今日学園に出てきていない。
けど、そこを思い出せば、四副さんは紙のなかで、し……死んでいた。それは確かにそうだけど。だけど、それはやはり四副さんの死を意味するわけではないでしょう。としか思えなかった。思いたくなかった。あれは、どういうことなのだろう。四副さんを、探しに行かなくては。
えっ。
見ると草里が鞄から取り出したのは、昨日の、まったくあの紙になった四副さんだった。昨日と同じあの、無様で奇妙な死に様をその紙のなかで晒している四副さん。昨日のあの光景が甦る。わたしたち、なんてことをしていたんだろう。あんなことって……
草里はそれを鞄に仕舞う。
そう言ってわたしは、このパレード潰しそのものが学園に内緒の事だったのを思い出した。だけどだからと言って……。
一時限目が始まるので、草里は自分の席にするりと戻っていった。
一時限目が始まるので、草里は自分の席にするりと戻っていった。