瑠備姉妹(2)
文字数 880文字
わたしたちは四人で外へ。とは言っても、峠回りにはカフェなんて一軒もない。町まで行くかそれとも学園通りにでも行かなきゃ。現実、そんなとこまで足を運ぶのも面倒なので、峠の駄菓子屋とくっ付いているカキ氷だの餡蜜だのの売っているしみったれた茶店に入った。申し訳ないくらいに瑠備姉妹には不釣合いなお店だった。
聞くと、草里が応えた。
――四副のようにはならない、とでも続けそうだったが草里からその名は出なかった。
カヲリさんがカキ氷を食べるさじを置いて、ぽつりと言う。
斬ったことは、あるのか。そういうことをする子らには、見えないんだけどな。
斬ったことは、あるのか。そういうことをする子らには、見えないんだけどな。
思い切って聞いてみる。
二人は同時に押し黙ってこちらを見た。
あまり抑揚もない、とくに強い思い入れもない印象といったふうにしか見えない。
草里は、餡蜜をすすっている。
幾らなんでも無理に連れてきた、ということもないだろうし何か弱みを握られているとか。そんなふうに最近は、草里を見てしまうこともある。こないだの一戦があってからは。
草里は、餡蜜をすすっている。
幾らなんでも無理に連れてきた、ということもないだろうし何か弱みを握られているとか。そんなふうに最近は、草里を見てしまうこともある。こないだの一戦があってからは。
カヲリさんが明るいふうに言う。
とシヲリさんはわたしのことを名字で呼ぶ。
わたしも、そう……。
草里は、いっそう決意の固い目付きでそう言った。
あとは雑談だけで、とくにパレード潰しに関する具体的な打ち合わせをするということもなく、日程を決めると解散になった。
あとは雑談だけで、とくにパレード潰しに関する具体的な打ち合わせをするということもなく、日程を決めると解散になった。