【胡蝶】【白】【コント作家】

課題は伝言板より
追加お題【陰謀論】


「P先生！　次の舞台のシナリオもう締め切り過ぎてるんですけど、いつまでかかってるんですか！」
「ん？　ああ、ああ、原稿ね、分かってるって、明日にはできるから」
「全然、分かってないじゃないですか！　何ですか明日って！　過•ぎ•て•るんですよ、締め切りとっくに」
「いや、でもホラそこは安全係数っていうか余裕見て言ってんでしょ」
「そういうことは先生が考えたら意味ないでしょ！　しっかりしてくださいよ。ただでさえ売れないコント作家なんですから、せめて締め切りくらいは守ってくださいよ」
「そうは言うけど、お題難しくない？　胡蝶で陰謀論って何？」
「自分で適当な決め方しといて何言ってるんですか！」
「いや、だってほら、なんだか知らないけど、ただでさえ僕って、なりすまし疑惑とか盗作疑惑とかAI疑惑とか、かけられちゃう人じゃない？　お題も作為的に選んでると思われたら嫌じゃん」
「気にするところはそこじゃないでしょ！　揉め事ばかり起こすから、大御所の先生方に睨まれてるんじゃないですか。気づいたらもう四面楚歌じゃないですか、何やってんですか全く！」
「はいはい」
「ハイは一回！」


数時間後


「原稿あがったよ」
「拝見します」


【陰謀論】
「突然ですけど、最近どこのお店もポイント制じゃないですか」
「それは陰謀です」
「え？　は？　何ですか陰謀って、ポイントですよ？」
「現金値引きよりポイント還元の方がお店にとって有利なんです」
「そうなんですか？」
「以前、山田(ヤマデン)電機は、ポイントはお客様が本来自由に使えるお金なんだから、ヤマデンは現金値引きにこだわりますとか言っていたのにいつのまにかポイント制です」
「でも、ドラッグストアなんてポイント五倍デーとかあってお得じゃないですか」
「陰謀です」
「え？　え？　そこも陰謀なんですか？」
「いつのまにか景品引き換えポイントが引き上げられてるんです」
「あ、それは盲点ですね。せっかくポイント貯まってもゴールも遠のくんですね」
「しかも失効期限あります」
「それは気をつけないといけませんね。あ、ドラッグストアといえば最近、ちかくにオープンして、胡蝶蘭が並んでましたよ」
「陰謀です」
「ちょっと、何ですかさっきから陰謀、陰謀って、あなた陰謀論者ですか？」
「昔は開店花って色々合ったでしょ？　並べた途端におばちゃん達が抜いていって、一日ともたずに兵(つわもの)どもが夢の跡状態になっていたはずです」
「そういえばそうですね」
「おばちゃん達は胡蝶蘭になるとおいそれとかっぱらうことができない生き物なんです。お店の陰謀です」
「言い方なんとかなりませんか。あれ？　雨上がって明るくなってきましたね」
「レインボウです」
「どうもありがとうございましたー」

了


「どうだい？」
「面白くありません。やり直し」