【作中作】【力】【犬】

文字数 424文字

課題は伝言板より、バトンタッチなお話

 それは正に青天の霹靂だった。相棒だった中作より突然のコンビ解消宣告。長年お笑いコンビ「美作中作(みまさかなかさく)」としてやってきたが、「お前にはセンスがない。お笑いの実力がないんだ。いいか、お前は自分で言ったことを一人で笑っているだけだ。お前は笑わせてるんじゃない、笑い者になってるだけだ。俺まで一緒にスベってるみたいになるのは正直カンベンしてほしいんだ」と、オレ自身薄々感じていたことを、オブラートに包むことなくズバズバ言って去っていった。
 オレからしたら、中作はツーと言えばカーというか、阿吽の呼吸というかそんな仲だと思っていただけにショックは大きい。
 最大のパートナーを失って失意のどん底にいたオレだが、新たな相方が見つかった。中作はお笑いのセンスはあったが人間的にアレなところがあり、オレのいうことにも耳を貸さないのが玉に傷だった。
 新しいパートナーは、お笑いセンスは未知数だが、オレに従順なところがいい。

 犬だけどね。
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